家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)は、エアコン・テレビ・冷蔵庫冷凍庫・洗濯機衣類乾燥機の4品目を対象として、リサイクルを義務づけた法律である。この4品目が不要になったとき、廃棄物処理法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)上の「廃棄物」に当たるのかどうかは、実務上見落とされやすい論点のひとつである。本記事では、廃棄物該当性と、それに伴う法的な取り扱いを整理する。

廃棄物処理法上の「廃棄物」に該当する

 結論から述べると、4品目は廃棄物処理法第2条第1項に規定する「廃棄物」に該当する。家電リサイクル法は廃棄物処理法の特別法として位置づけられるものではなく、廃棄物処理法の枠組みを前提としたうえで、特定の品目に対してリサイクルルートや処理主体を上乗せ規定した法律である。

 家電リサイクル法において「特定家庭用機器廃棄物」とは、特定家庭用機器が廃棄物となったものと定義されている(法第2条第5項)。同条冒頭では「廃棄物」の意味を廃棄物処理法第2条第1項に規定する廃棄物と明示しており、4品目が不要物となり廃棄された段階で廃棄物処理法の廃棄物に当たり、そのうえで家電リサイクル法が適用されるという構造になっている。

「一般廃棄物」か「産業廃棄物」かは排出場所で決まる

 廃棄物該当性の論点において実務上重要なのは、同じ4品目であっても誰が・どこから排出するかによって、廃棄物の種別が異なる点である。環境省の施行通知では、次のように示されている。

特定家庭用機器廃棄物は、特定家庭用機器が廃棄物処理法第二条第一項に規定する廃棄物となったものであり、家庭から排出されるものは一般廃棄物に、事業所から排出されるものは産業廃棄物に該当するものであること。

 つまり、一般家庭から廃棄されたエアコンや冷蔵庫は特定家庭用機器一般廃棄物として扱われ、オフィスや店舗など事業活動の場から廃棄されたものは特定家庭用機器産業廃棄物として扱われる。事業者が交換・廃棄した家電製品は産業廃棄物に該当するという点を、実務担当者は正確に把握しておく必要がある。

業務用機器は対象外となる

 家電リサイクル法が定める「特定家庭用機器」とは、一般消費者が通常生活の用に供する電気機械器具であることが要件とされている(法第2条第4項)。このため、業務用として設計・製造された機械器具は、仮に家庭に置かれていたとしても同法の対象には該当しない。また、天井埋め込み型エアコンなど建築物と一体不可分のものとして設置される機器は、特定家庭用機器に該当しないとされており、建築物の解体等の際に排出される場合は家電リサイクル法の対象外として扱われる。

事業者が産業廃棄物として排出する場合の特例

 特定家庭用機器産業廃棄物を排出する事業者にとって実務上注目すべき点として、廃棄物処理法上の委託基準・マニフェスト交付義務に関する特例がある。

 家電リサイクル法第50条第3項は、事業者が特定家庭用機器産業廃棄物を小売業者・法第23条第1項の認定を受けた製造業者等・指定法人に引き渡す場合、廃棄物処理法第12条第5項(委託基準)の規定は適用されないと定めている。また同法の施行通知では、この引渡しに際して産業廃棄物管理票(マニフェスト)の交付は不要であることが明示されている。

 ただし、この特例が適用されるのは、あくまで正規のリサイクルルート(小売業者・認定製造業者等・指定法人)への引渡しに限られる。産業廃棄物収集運搬業者や処分業者に委託する場合は、通常の廃棄物処理法上の委託基準・マニフェスト義務がそのまま適用されるため、注意が必要である。

まとめ

 家電リサイクル法の対象4品目は、廃棄物処理法上の「廃棄物」に該当することを前提として同法が設計されている。家庭排出か事業所排出かによって一般廃棄物・産業廃棄物の区分が分かれ、それぞれに対応する処理ルールが適用される。事業者が不要になった家電製品を廃棄する際は、廃棄物の種別と適正なルートの選択を改めて確認することが求められる。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。

〒460-0008
愛知県名古屋市中区栄5丁目19-31 T&Mビル3F-3X
行政書士吉田哲朗事務所
吉田 哲朗
TEL052-380-3173
Mobile:090-6090-0386
Email:info@office-yoshida-te.com
Facebook
Instagram
X(Twitter)

YouTube

投稿者プロフィール

吉田哲朗
吉田哲朗