産業廃棄物収集運搬業の許可は、5年(優良認定業者は7年)ごとに更新が必要です。ところが実務では、更新の申請手続きを進めている最中に、許可の有効期限の日が来てしまうケースがあります。「許可が切れた状態で業務を続けてよいのか」という疑問が生じますが、廃棄物処理法にはこうした状況に対応した規定が置かれています。実務を担う事業者としては、この仕組みをあらかじめ理解しておくことが重要です。

「みなし規定」とは何か

 廃棄物処理法第14条第3項(収集運搬業)および第8項(処分業)は、次のように定めています。

前項の更新の申請があった場合において、同項の期間(許可の有効期間)の満了の日までにその申請に対する処分がされないときは、従前の許可は、許可の有効期間の満了後もその処分がされるまでの間は、なおその効力を有する。

 つまり、許可の有効期間が満了する前に更新申請を行っていれば、審査結果が出るまでの間、従前の許可はそのまま有効とみなされます。この仕組みを「みなし規定」と呼んでいます。行政の審査には一定の日数がかかるため、申請者が不利益を受けないよう配慮されたものです。申請中であっても適法に業務を継続できる根拠がここにあります。

適用される前提条件

 みなし規定が適用されるためには、必ず有効期限内に更新申請を提出していることが条件です。申請を期限後に行った場合や、そもそも更新申請を怠った場合には、この規定は適用されません。許可は期間満了日をもって失効し、その後に業務を継続すれば無許可営業となります。更新申請のタイミング管理は、事業継続の根幹に関わる問題です。申請準備には講習会の受講証明など必要書類の取り寄せも伴うため、余裕をもって着手することが求められます。

更新後の有効期間の起算日

 同条第4項は、更新が認められたときの新たな有効期間の起算について次のように規定しています。

前項の場合において、許可の更新がされたときは、その許可の有効期間は、従前の許可の有効期間の満了の日の翌日から起算するものとする。

 審査期間中に許可がみなし有効となっていた分の期間は、新しい許可期間に加算されません。あくまでも従前の有効期限の翌日から起算されるため、実質的に事業者が不利益を被ることはありません。

委託する排出事業者側の確認

 委託先の処理業者が更新申請中である場合、排出事業者としては、許可証の有効期限とともに更新申請が提出済みであるか否かを確認しておくことが重要です。みなし規定が適用されている状態は適法ですが、申請がなされていない失効状態の業者に廃棄物を委託した場合は、廃棄物処理法第25条に基づく罰則の対象となる可能性があります。許可証のコピーを定期的に取得・保管し、委託契約書とあわせて管理することが適切な対応です。

まとめ

 許可の更新申請中に有効期限が到来しても、事前に申請済みであれば審査が終わるまで許可は有効として扱われます。ただし、この保護はあくまでも期限内に申請した場合に限られます。更新の失念による失効は事業継続に深刻な影響を及ぼします。許可期限の管理を日常の業務管理の中に組み込み、余裕をもって更新申請の準備を進めることが大切です。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。

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