
産業廃棄物の処理をほかの事業者に委託した場合、排出事業者はその後の処理状況を確認し続ける責任を負います。その確認手段の一つがマニフェスト(産業廃棄物管理票)の返送確認です。マニフェストの写しが一定期間内に返送されない場合や、処理困難通知を受けた場合には、措置内容等報告書を都道府県知事(または政令市長)に提出しなければなりません。本記事では、この報告書の提出が義務づけられる条件と、提出期限について整理します。
措置内容等報告書とはどのような書類か
措置内容等報告書は、委託した産業廃棄物の処理状況に問題が生じたとき、排出事業者が行政に対して講じた措置の内容を報告する書類です。根拠規定は廃棄物処理法第12条の3第8項(電子マニフェストの場合は第12条の5第11項)および施行規則第8条の29に置かれています。
この報告義務は、排出事業者責任の一環として位置づけられており、委託後も処理の最終局面まで責任を持つという廃棄物処理法の基本的な考え方を体現するものです。
報告書の提出が義務づけられる場面
提出が必要となる場面は、大きく次の3つに分類されます。
第一は、マニフェストの写しが規定期間内に送付されない場合です。排出事業者は、運搬受託者から交付の日から90日以内(特別管理産業廃棄物は60日以内)にB2票・D票の写しを、処分受託者から180日以内にE票の写しを受け取る必要があります。これらが期間内に返送されない場合、その期間が経過した日から30日以内に報告書を提出しなければなりません。
第二は、マニフェストの写しに記載事項の不備または虚偽記載がある場合です。法定の記載事項が欠けている写しを受け取った場合は、当該写しの送付を受けた日から30日以内が提出期限です。一方、虚偽の記載がある写しを受け取った場合は、虚偽の記載のあることを知った日から30日以内が期限となります。起算点が異なる点に注意が必要です。
第三は、処理困難通知を受けた場合です。産業廃棄物処理業者は、事業の廃止・施設の休廃止・欠格要件への該当・行政処分などにより処理を適正に行うことが困難になったときは、排出事業者に通知しなければなりません(法第14条第13項、第14条の4第13項)。排出事業者がこの通知を受け、かつマニフェストの写しの返送を受けていない場合は、通知を受けた日から30日以内に報告書を提出する義務が生じます。
報告書に記載する主な内容
報告書には、委託した産業廃棄物の種類・数量、委託先の処理業者の名称、問題が生じた経緯、排出事業者が講じた措置の内容などを記載します。報告書の様式は、各都道府県または政令市が定める書式に従うことになります。報告書の提出と並行して、生活環境の保全上の支障の除去または発生防止に必要な措置を速やかに講じることも法律上求められています。
提出先と注意点
報告書の提出先は、産業廃棄物を引き渡した事業場を管轄する都道府県知事または政令市長です。委託先の処理業者が存在する場所の知事ではなく、排出事業者の事業場を所管する行政庁が窓口となる点に注意が必要です。また、提出義務の違反に対しては、都道府県知事等による報告徴収・立入検査の対象になる場合もあります。
マニフェストの返送状況は、委託のたびに確実に管理することが不可欠です。特に多くの処理業者に委託している事業場では、返送期限の一覧管理や定期的な確認体制を整えておくことが重要です。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。
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