
産業廃棄物の収集・運搬または処分を業として行うには、原則として都道府県知事の許可が必要です。しかし廃棄物処理法には、一定の要件を満たした再生利用事業者に対して、この許可を不要とする特例制度が設けられています。その一つが、環境大臣の認定を受けることで許可なく事業を行うことができる再生利用認定制度です。
制度の根拠条文
再生利用認定制度の根拠は、廃棄物処理法第15条の4の2(産業廃棄物の再生利用に係る特例)に定められています。同条第1項は次のように規定しています。
環境省令で定める産業廃棄物の再生利用を行い、又は行おうとする者は、環境省令で定めるところにより、次の各号のいずれにも適合していることについて、環境大臣の認定を受けることができる。
一 当該再生利用の内容が、生活環境の保全上支障のないものとして環境省令で定める基準に適合すること。
二 当該再生利用を行い、又は行おうとする者が環境省令で定める基準に適合すること。
三 前号に規定する者が設置し、又は設置しようとする当該再生利用の用に供する施設が環境省令で定める基準に適合すること。
(廃棄物の処理及び清掃に関する法律第15条の4の2第1項)
認定を受けた事業者は、同条第4項の規定により、第14条第1項(収集・運搬業の許可)および第6項(処分業の許可)ならびに第15条第1項(処理施設設置許可)の規定にかかわらず、許可を受けずに当該認定に係る産業廃棄物の収集・運搬または処分を業として行い、または当該施設を設置することができます。認定権者が都道府県知事ではなく環境大臣である点が、通常の許可制度との大きな相違です。
「専ら物」との違い
許可不要となるケースとして、再生利用認定制度のほかに「専ら再生利用の目的となる産業廃棄物(専ら物)」の規定があります。これは法第14条第1項ただし書きに基づくもので、古紙・くず鉄・空き瓶・古繊維のように市場で安定的に取引される廃棄物を専門に扱う事業者は、許可なく業を行うことができます。
専ら物の取り扱いは特定品目に限定され、個別の申請は不要です。これに対して再生利用認定は、専ら物に該当しない廃棄物であっても、環境省令で定める対象廃棄物であれば認定の申請が可能です。認定を受けるためには環境大臣への申請と審査が必要であり、認定後は認定に係る廃棄物に限って許可不要で事業を行えます。
認定を受けるための主な要件
申請にあたっては、施行規則に定める三つの基準への適合が求められます。①再生利用の内容が生活環境の保全上支障を生じないものであること、②申請者が再生利用を的確かつ継続して行うに足りる知識・技能・施設・財政的基礎を有すること、③再生利用に供する施設が技術上の基準に適合することです。
なお、認定後であっても処理基準の遵守など一部の規定は引き続き適用されます。要件に適合しなくなったと認められる場合には、環境大臣が認定を取り消すことができます(同条第6項)。
収集運搬業者が関わる場面
収集・運搬業者の立場からは、委託先が再生利用認定を受けているかどうかの確認が重要です。認定業者は通常の処理業許可証を持っていない場合があるため、委託契約を締結する前に認定書の写しを取得し、認定の対象となっている廃棄物の種類・範囲を確認しておく必要があります。委託基準や契約書の記載義務は、認定業者に委託する場合でも引き続き適用されます。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。
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