
産業廃棄物の収集運搬業を営む事業者は、通常の排出事業者だけでなく、広域認定を受けたメーカー等から廃棄物の回収・運搬を委託されるケースがある。広域認定制度は廃棄物処理法第15条の4の3に定められた特例であり、環境大臣の認定を受けた製造事業者等が都道府県ごとの処理業許可なしに自社製品の廃棄物を全国規模で回収できる仕組みである。この仕組みの下で収集運搬を担う立場になった場合、通常の委託とは異なる点がいくつか生じる。
広域認定制度における収集運搬業者の位置づけ
広域認定を受けた事業者(認定事業者)は、収集運搬や処分の作業そのものを他者に委託して行わせることができる(法第15条の4の3)。この場合、委託を受ける収集運搬業者は制度のスキームに組み込まれる形になる。認定事業者が「総元締め」として廃棄物処理の責任を統括し、収集運搬業者はその指示のもとで運搬業務を遂行する構造である。
重要なのは、収集運搬業者が広域認定の恩恵を直接受けるわけではないという点である。業の許可が不要となるのはあくまで認定事業者本人であり、収集運搬を受託した業者は引き続き収集運搬業の許可を持っていることが前提となる。したがって、既存の許可の種類・区域・品目が対象廃棄物と合致しているかを委託を引き受ける前に必ず確認する必要がある。
欠格要件と参加事業者への審査
広域認定制度では、認定事業者本人だけでなく、スキームに参加するすべての事業者について欠格要件(法第14条第5項第2号イからヘ)への非該当と、不利益処分を受けた日から5年の経過が求められる(法第15条の4の3第1項第2号、施行規則第12条の12の11)。つまり、収集運搬を受託した場合でも、過去に許可取消しや業務停止命令を受けていれば参加資格を満たさない可能性がある。認定事業者から委託契約書の締結に際してこうした基準への適合確認を求められるのが通例であり、基準を満たさなくなった場合には速やかに認定事業者へ報告する義務が課されることが多い。
マニフェストの取り扱い
通常、産業廃棄物の収集運搬にはマニフェスト(管理票)の交付が義務付けられているが、広域認定制度のスキームでは、廃棄物を引き渡す排出者(ユーザー)は広域認定範囲内の特定窓口等への引渡しにあたってマニフェストの交付が不要となる(施行規則第8条の19第5号)。この特例は排出者側に適用されるものであり、収集運搬業者のマニフェスト義務そのものが免除されるわけではない。認定事業者が別途「受取伝票」等の代替書類を整備することが多く、収集運搬業者はその運用ルールと自社の帳簿管理の扱いをあらかじめ認定事業者に確認しておくことが重要である。
施設基準と委託契約上の義務
広域認定スキームでは、収集運搬に使用する車両・積替え保管施設等についても、施行規則第12条の12の12が定める施設基準への適合が求められる。認定を維持するために認定事業者が定期的な監査を実施するケースもある。収集運搬業者は委託契約書の内容を精査し、自社に課される報告義務・施設維持義務・基準適合確認の手順を把握したうえで契約を締結することが求められる。
広域認定業者のスキームに収集運搬業者として参加することは、全国規模の安定した業務量を確保できる一方で、通常の委託契約にはない固有の義務が生じる。制度の全体像と自社の許可範囲・基準適合状況を正確に把握することが、適正な業務遂行の第一歩となる。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。
- 産廃収集運搬業許可特化事務所
- 行政書士吉田哲朗事務所
申請なら産廃収集運搬申請特化の行政書士吉田哲朗事務所にお任せ下さい。
個人事業主、法人のお客様問わず、たくさんのお問合せを頂いております。
・JWセンターの収集運搬過程終了の行政書士による講習試験アドバイス
・経理的基礎である財務把握はもちろん、中小企業診断士とタイアップ
・最短3日で申請!
〒460-0008
愛知県名古屋市中区栄5丁目19-31 T&Mビル3F-3X
行政書士吉田哲朗事務所
吉田 哲朗
TEL052-380-3173
Mobile:090-6090-0386
Email:info@office-yoshida-te.com
Facebook
Instagram
X(Twitter)
YouTube
投稿者プロフィール

最新の投稿







