廃棄物処理法には、収集運搬業や処分業のような「許可制」とは別に、廃棄物の再生を業として営む事業者が任意に登録を受けられる制度が設けられている。それが廃棄物再生事業者登録制度であり、同法第20条の2に根拠を置く。古紙・金属くず・空き瓶・古繊維といった資源性の高い廃棄物を取り扱う事業者にとって、この制度の内容を正確に理解しておくことは実務上の基本となる。

制度の概要と根拠条文

 廃棄物処理法第20条の2第1項は、次のように定める。

廃棄物の再生を業として営んでいる者は、その事業の用に供する施設及び申請者の能力がその事業を的確に、かつ、継続して行うに足りるものとして環境省令で定める基準に適合するときは、環境省令で定めるところにより、その事業場について、当該事業場の所在地を管轄する都道府県知事の登録を受けることができる。

 この制度は「許可」ではなく「登録」であり、収集運搬業許可や処分業許可とは法的性格が異なる。基準に適合する場合、知事は登録をしなければならないとされており(施行令第18条)、行政側に拒否の裁量がない羈束行為として位置づけられている点が特徴的だ。

登録基準(施行規則第16条の2)

 登録を受けるには、施行規則第16条の2が定める以下の基準を満たす必要がある。まず、廃棄物が飛散・流出・地下浸透・悪臭発散のおそれのない保管施設を有すること。次に、再生する廃棄物の種類に応じた施設として、古紙には梱包施設、金属くずには選別施設・加工施設、空き瓶には選別施設、古繊維には裁断施設が必要とされる。さらに、再生後の資源を運搬するためのフォークリフト等の運搬施設、および事業を継続するに足りる経理的基礎を有することが求められる。

申請手続きと変更・休廃止の届出

 登録の申請は、施行令第17条に基づき、事業場の所在地を管轄する都道府県知事に申請書を提出することで行う。申請書には、氏名・名称・住所、事業場の所在地、廃棄物の再生に係る事業の内容、施設の種類・数量・構造および設備の概要、経理的基礎に関する資料を記載し、事業場の図面等の添付書類を合わせて提出する。

 登録後に氏名・所在地・施設の種類等に変更が生じた場合は30日以内に届出が必要であり(施行令第20条)、事業場の廃止・休止・再開の場合も同様に30日以内の届出が求められる(施行令第21条)。手続きを怠ると、後述の登録取消しの対象となりうる。

登録取消しと名称使用制限

 都道府県知事は、登録廃棄物再生事業者が施設等の登録基準に適合しなくなったとき、または変更・休廃止の届出をしなかったときは、登録を取り消すことができる(施行令第22条)。

 また、法第20条の2第3項は、登録を受けた者でなければ「登録廃棄物再生事業者」という名称を使用してはならないと定める。これに違反した者は、第34条により10万円以下の過料に処せられる。名称の無断使用は行政罰の対象となる点に注意が必要だ。

産業廃棄物処理業との関係

 実務上、特に重要な点として、この登録は産業廃棄物処理業の許可の代替にはならないことが挙げられる。環境省の通知(環循規発第2003301号)においても明確にされているとおり、廃棄物再生事業者の登録を受けた者が産業廃棄物の処理を業として行う場合には、別途、産業廃棄物処理業の許可が必要となる。登録制度は「信頼性の証明」としての意義を持つが、処理業の許可要件を免除するものではない。排出事業者側も、委託先の業者が適正な許可を有しているかを改めて確認する必要がある。

 廃棄物再生事業者登録制度は、廃棄物の再生事業に一定の社会的信頼を付与するとともに、市町村が一般廃棄物の再生に関して協力を求めることができる根拠(法第20条の2第4項)ともなっている。制度の位置づけと限界を正しく把握したうえで、適切な手続きを行うことが求められる。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。

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吉田哲朗
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