産業廃棄物の処理の流れを整理すると、収集運搬→中間処理→最終処分という3段階になっています。このうち「中間処理」という工程は、排出事業者・収集運搬業者・処分業者のいずれの立場でも関わることが多く、処理の中核を担っています。では、中間処理にはどのような方法があるのでしょうか。ここでは代表的な方法を整理します。

中間処理とは何か

 廃棄物処理法上、産業廃棄物の「処分」は中間処理と最終処分の2つに分類されます。中間処理とは、廃棄物を最終処分(埋立等)の前段階として、減量化・安定化・無害化を図る工程の総称です。廃棄物処理法施行令第6条および第6条の5がその処分基準を定めており、飛散・流出の防止や焼却設備の構造基準などがこれに基づいています。

主な中間処理の方法

 中間処理の方法は、廃棄物の種類や性状によって異なります。以下に代表的な方法を紹介します。

 まず焼却です。可燃性の廃棄物を燃焼させて燃え殻にし、重量・体積を大幅に減らす方法です。施行令上、焼却は環境省令で定める構造の焼却設備を使用し、燃焼室のガス温度を800℃以上に保つことが求められています。焼却後の灰はセメント原料等に再利用されることもあり、リサイクルとの接点も持っています。

 次に破砕・粉砕です。廃棄物を機械で砕いたり押しつぶしたりして減容化する方法で、建設廃材・廃プラスチック・金属くずなど幅広い廃棄物に対応できます。輸送効率の向上や、リサイクルに必要な資源の取り出しにも役立ちます。

 脱水は、汚泥など水分を多く含む廃棄物に用いられる方法です。脱水機により水分を除去して重量・体積を減らします。たとえば汚泥の陸上埋立処分には含水率85%以下にすることが処分基準で定められており、脱水はその前処理として欠かせない工程です。

 溶融は、焼却後の燃え殻や飛灰などを高温で溶かし、ガラス状のスラグに変える方法です。有機物が完全燃焼し、無機物はスラグ化することで路盤材等へのリサイクルが可能になります。焼却と組み合わせた高度処理として位置づけられています。

 選別は、混合して搬入される廃棄物を種類ごとに分別する工程です。リサイクル可能な資源を取り出したり、後続の処理方法を振り分けたりするために行われます。手選別と機械選別があり、自治体によって中間処理として認める範囲が異なることもあります。

 中和(安定化)は、廃酸・廃アルカリなどの有害な廃棄物を化学的に中和し、環境への悪影響を防ぐ方法です。性状を安定させることで、その後の処理や保管中のリスクを低減できます。

 無害化は、ダイオキシン類やPCBなど特定有害物質を含む廃棄物から有害成分を除去・分解する処理です。特に特別管理産業廃棄物には高度な無害化処理が必要とされる場合があります。

中間処理業を行うには許可が必要

 中間処理を業として行う場合は、都道府県知事または政令市の長による産業廃棄物処分業の許可が必要です。許可は処理する廃棄物の種類および処理の方法(焼却・破砕など)ごとに取得しなければなりません。自社の排出廃棄物を自ら中間処理する場合でも、施設の設置に際しては別途届出や許可が求められることがあります。

排出事業者にとっての意味

 中間処理の方法を正しく把握することは、処理委託先の選定や委託契約の確認にも直結します。委託先が保有する許可の処理方法と、実際に処理される廃棄物の種類・性状が一致しているかどうかを確認することが、排出事業者責任を果たすうえでの基本です。どの廃棄物にどの処理が適切かを理解しておくことが、事業を守ることにつながります。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。

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