産業廃棄物の最終処分のうち、もっとも代表的な方法が埋立処分です。最終処分場への搬入が決まると「あとは処分業者に任せれば大丈夫」と思いがちですが、排出事業者にとっても埋立処分の方法基準を知っておくことは重要です。委託先が基準を守っているかを確認する責任は、排出事業者にもあるからです。ここでは、廃棄物処理法施行令第6条第1項第3号に定める産業廃棄物の埋立処分の方法基準をわかりやすく整理します。

飛散・流出防止と生活環境保全

 埋立処分を行う際には、まず廃棄物が飛散・流出しないようにすることが基本です。同時に、悪臭・騒音・振動によって生活環境の保全上支障が生じないよう、必要な措置を講じることも義務とされています(令第6条第1項第3号→令第3条第1号イ準用)。処分場の立地によっては周辺住民への影響も懸念されるため、この基本的な義務は埋立処分を行う全事業者に共通して適用されます。また、埋立処分のための施設を設置する場合には、生活環境の保全上支障が生ずるおそれのないよう必要な措置(囲いの設置、掲示板の掲示など)を講じることも求められています(令第3条第1号ロ準用)。

害虫発生の防止と処分終了時の覆土義務

 埋立地には、ねずみが生息し、蚊・はえその他の害虫が発生しないようにすることが義務づけられています(令第6条第1項第3号→令第3条第3号ニ準用)。廃棄物を積み重ねたまま放置することは害虫の温床になるおそれがあり、適切な管理が必要です。

 埋立処分を終了する際には、埋め立てた廃棄物の一層の厚さを3メートル以下とし、一層ごとにおおむね50センチメートルの土砂で覆い、最終的に埋立地の表面全体を土砂で覆うことが義務とされています(令第6条第1項第3号→令第3条第3号ホ準用)。覆土は埋立終了時の必須措置であり、処分業者が適切に実施したかをマニフェストなどで確認することが重要です。

場所の表示義務

 埋立処分は、周囲に囲いが設けられ、かつ「産業廃棄物の処分の場所」であることが表示されている場所で行わなければなりません(令第6条第1項第3号ハ)。有害な産業廃棄物(燃え殻・ばいじん・汚泥のうち一定のもの)を埋立処分する場合は、「有害な産業廃棄物の処分の場所」であることを表示する必要があります。

処分場の種類別の個別基準

 安定型最終処分場とは「地中にある空間を利用した埋立地」のことです(令第6条第1項第3号イ)。ここに埋立処分できるのは廃プラスチック類・ゴムくず・金属くず・ガラスくず・コンクリートくず・陶磁器くず・がれき類・一定の鉱さいなど、いわゆる安定型産業廃棄物のみです。安定型産業廃棄物以外の廃棄物を地中空間を利用して埋立処分することは禁止されており、これら以外の廃棄物が混入・付着しないよう必要な措置を講じることも義務です(令第6条第1項第3号ロ)。

 管理型最終処分場では、安定型に該当しない廃棄物を埋立処分できますが、浸出液による公共水域および地下水の汚染防止のため、遮水工・保有水等集排水設備・浸出液処理設備などを設け、放流水の水質基準への適合が求められます(令第6条第1項第3号ホ→令第3条第3号ロ準用)。

 遮断型最終処分場は、有害な産業廃棄物を公共の水域および地下水と遮断された場所で処分するための施設です(令第6条第1項第3号ニ)。安定型・管理型では受け入れられない有害物質を含む廃棄物が対象となります。

排出事業者としての確認責任

 埋立処分の方法基準は主に処分業者が守るべき基準ですが、排出事業者には委託先が適正に処分しているかを確認する責任があります。マニフェストのE票(最終処分完了報告票)の返送を確認し、処分場の種類・受け入れ品目・処分方法が委託契約書の記載と一致しているかをチェックすることが、適正処理の確認につながります。埋立処分の基準をきちんと理解しておくことが、自社の法令遵守と信頼ある廃棄物管理を守ることにつながります。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。

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吉田哲朗
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