解体工事や新築工事の現場では、コンクリートがら・廃木材・アスファルト・コンクリートといった廃棄物が大量に発生します。これらを混合したままトラックに積み込んで処分場へ持ち込む、という対応が長年続いていましたが、建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(平成12年法律第104号)、いわゆる「建設リサイクル法」の制定によって、そうした処理方法は認められなくなりました。ここでは、この法律が建設工事の実務にどのような義務を課しているのか、整理します。

法律の目的と位置づけ

 建設リサイクル法は平成12年(2000年)に制定されました。その目的は、特定の建設資材について分別解体等および再資源化等を促進するとともに、解体工事業者の登録制度を設けることで、資源の有効利用と廃棄物の適正処理を実現することです(第1条)。廃棄物処理法が廃棄物全般の適正処理を規律するのに対し、建設リサイクル法は建設現場から生じる特定資材のリサイクル促進に特化した法律として位置づけられています。

特定建設資材の4品目

 義務の対象となる「特定建設資材」として、現在政令で①コンクリート、②コンクリート及び鉄からなる建設資材(コンクリート二次製品等)、③木材、④アスファルト・コンクリートの4品目が定められています。これらが廃棄物になったものを「特定建設資材廃棄物」と呼び、再資源化等の対象となります。

対象建設工事の規模基準

 義務が生じるのは、規模が一定以上の工事(「対象建設工事」)です。建築物の解体工事は床面積80㎡以上、建築物の新築・増築工事は床面積500㎡以上、建築物の修繕・模様替等工事は請負金額1億円以上、建築物以外の解体・新築等(土木工事)は請負金額500万円以上がそれぞれの基準です。

3つの主な義務

 建設リサイクル法が課す主な義務は3つです。第一は事前届出で、対象建設工事の発注者または自主施工者は工事着手の7日前までに都道府県知事へ届け出なければなりません(第10条第1項)。第二は分別解体の実施で、受注者(下請負人を含む)は特定建設資材廃棄物をその種類ごとに分別しながら工事を施工する義務を負います(第9条第1項)。第三は再資源化等の実施で、分別された特定建設資材廃棄物を資材・原材料として利用できる状態にするか、縮減(焼却・脱水等)しなければなりません(第16条)。元請業者は再資源化等の完了後に発注者へ書面で報告し(第18条)、実施状況の記録を保存する義務も負います。

解体工事業の登録制度

 建設業許可(解体工事業)を持たない事業者が解体工事を請け負う場合は、都道府県知事への解体工事業登録が必要です(第21条)。登録の有効期間は5年です。いずれにせよ無登録・無許可での解体工事業は認められません。

違反した場合の罰則

 届出義務違反や虚偽届出は20万円以下の罰金(第51条)、都道府県知事の変更命令違反は30万円以下の罰金(第50条)、分別解体等・再資源化等の実施命令違反は50万円以下の罰金(第49条)が科されます。無登録での解体工事業は1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金(第48条)という重い罰則です。違反者を雇用する法人等にも責任が及ぶ両罰規定もあります。なお、対象外の工事であっても廃棄物処理法に基づく許可業者への委託やマニフェスト交付は引き続き必要です。

 建設リサイクル法の義務を着実に果たすことが、現場の適正管理と事業への信頼確保につながります。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。

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吉田哲朗
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