「うちの会社で使っていたエアコンを廃棄したいが、家電リサイクル法の対象になるのだろうか」。そう疑問に思ったことはないでしょうか。家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)は「家庭用」という名称がついていますが、事業所から排出される場合にも適用されます。ここでは対象品目の範囲と、型式や形状によって適否が変わる実務上のポイントを整理します。

家電リサイクル法の対象は4品目

 家電リサイクル法が対象とする機器は、同法第2条第4項および施行令により、次の4品目(特定家庭用機器)に指定されています。① エアコン(ユニット型エアコンディショナー)、② テレビジョン受信機(ブラウン管式・液晶式・有機EL式・プラズマ式)、③ 電気冷蔵庫・電気冷凍庫、④ 電気洗濯機・衣類乾燥機。この4品目は資源価値が高く、かつ市町村の処理設備では再商品化が困難なものとして政令で指定されたものです。

エアコン――「ユニット型」に限定されている

 エアコンについては、ウィンド形(窓取り付け型)または室内ユニットが壁掛け形・床置き形のセパレート形に限定されています。家庭でよく使われる壁掛けエアコンはここに含まれます。一方、天井カセット型や天井埋め込み型など、建築物と一体不可分の状態で設置されているものは、建築物の解体等の際にのみ排出される機器として対象外となります。オフィスのビルトイン型エアコンを廃棄する際はこの点に注意が必要です。また、業務用として製造・販売されている製品は対象外です。見た目が似ていても、製造・販売の段階で業務用として流通しているかどうかが判断の分かれ目になります。

テレビ――令和6年4月から有機ELも対象に

 テレビは当初ブラウン管式のみが対象でしたが、施行令の改正によって液晶式・プラズマ式が追加され、令和6年(2024年)4月1日からは有機EL式テレビも対象に加わりました。一方、パソコン用のモニターや有機ELパネルを使ったPCモニターは対象外です。テレビジョン受信機としての機能(チューナー機能)を持つかどうかが実務上の判断基準となります。また、一次電池・蓄電池を電源とするものや、建築物に組み込むように設計されたものも除外されています。

冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機――「家庭用」か「業務用」かで分かれる

 電気冷蔵庫・電気冷凍庫、および電気洗濯機・衣類乾燥機についても、業務用として製造・販売されたものは対象外です。コンビニや飲食店で使われる業務用冷蔵庫、コインランドリー向け洗濯機などは対象になりません。ただし、家庭用製品を事業所で使用していた場合は対象品目に該当します。「どこで使っていたか」ではなく「どのような仕様で製造・販売された製品か」が基準になる点を理解しておくことが重要です。

事業所排出の場合は産業廃棄物として扱われる

 家庭から排出された対象4品目は一般廃棄物として、事業所から排出された場合は産業廃棄物として廃棄物処理法上の区分が適用されます。いずれの場合も、家電リサイクル法のルート(小売業者への引き渡しまたは指定引取場所への持ち込み)を経て処理されることが原則です。収集運搬業者として対象品目を取り扱う際は、廃棄物処理法上の許可要件と家電リサイクル法の手続きの両方を確認する必要があります。

 対象品目かどうかの正確な判断が、適正処理の出発点です。「家庭用か業務用か」「建築物と一体かどうか」「チューナー機能の有無」といった確認を実務の習慣にすることが、法令違反を防ぎ、事業を守ることにつながります。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。

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