自社の商品をペットボトルやプラスチック容器に詰めて販売している、あるいは食品を紙箱に入れて出荷している。そうした事業者の方が見落としがちなのが、容器包装リサイクル法(容リ法)に基づく再商品化義務です。「うちは製造業だから関係ない」「小売業だから義務はない」と思っていたとしたら、それは誤解かもしれません。

特定事業者とは何か

 容リ法では、次のいずれかに該当する事業者を「特定事業者」として、再商品化義務を課しています。

 まず、容器や包装を利用して商品を販売している「特定容器利用事業者」および「特定包装利用事業者」。次に、容器を製造・輸入している「特定容器製造等事業者」。対象となる素材は、ガラス製容器・ペットボトル・紙製容器包装・プラスチック製容器包装の4種類です。

 ただし、小規模事業者は適用除外となります。商業・サービス業では「常時従業員5人以下かつ年間総売上高7千万円以下」、その他の業種では「常時従業員20人以下かつ年間総売上高2億4千万円以下」の両方を満たす場合に限り、義務は免除されます。

再商品化義務量の算定方法

 特定事業者は、自社が使用・製造した容器包装について、再商品化しなければならない量(再商品化義務量)を算定する必要があります。算定は次の手順で行います。

 第一に、容器包装廃棄物の排出見込量の算定です。原則は「自主算定方式」で、年間使用量から自主回収量や業務用販売量を差し引いて求めます。自主算定が困難な場合のみ、簡易算定方式が認められています。

 第二に、排出見込量に業種別の「特定事業者責任比率」を乗じて、再商品化義務量を算出します。この比率は毎年主務大臣が公表するもので、容器包装の素材区分・業種ごとに異なります。自社の区分に応じた最新の比率を確認することが必要です。

 算定結果は帳簿に記録し、5年間保存することが義務付けられています。帳簿は義務履行の証明にもなるため、日ごろから適切に管理することが重要です。

再商品化義務の履行方法

 再商品化義務の履行ルートは3つあります。最も広く使われているのが、公益財団法人日本容器包装リサイクル協会(JCPRA)への委託です。毎年、再商品化委託契約を締結し、義務量に実施委託単価を乗じた「再商品化実施委託料」と「拠出委託料」を支払います。支払方法は一括払(7月31日)か3回分割払を選択できます。

 このほか、独自ルートとして自ら再商品化を実施する方法や、主務大臣の認定を受けて自主回収を行う方法もあります。ただし自主回収認定を受けた容器包装は、再商品化義務量の算定対象から除外されます。

義務不履行のリスク

 再商品化義務を履行しなかった場合、行政の対応は段階的に進みます。まず「指導・助言」が行われ、改善されなければ「勧告」→「公表」→「命令」へとエスカレートし、最終的に100万円以下の罰金が科されます(法第46条)。また、この義務には時効がなく、義務が発生した年度までさかのぼって履行しなければなりません。過去に義務を認識せず対応していなかった場合も、遡及して対処が必要です。

 自社が特定事業者に該当するかどうか、正確に確認したうえで帳簿管理・義務量算定・委託手続きを着実に進めることが、コンプライアンスと事業継続を守ることにつながります。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。

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