
マニフェストは交付して終わりではありません。排出事業者には、交付した管理票や返送されてきた管理票の写しを、一定期間手元に保存する義務があります。「何を」「いつから」「何年間」保存すればよいのか、実は起算日が書類ごとに異なるため、現場では混同しやすいポイントです。ここでは保存義務の根拠となる条文を整理しながら、実務対応のポイントを解説します。
保存義務の法的根拠
マニフェストの保存義務は、廃棄物処理法第12条の3に定められています。同条第2項では、管理票を交付した事業者(管理票交付者)が、交付した管理票の写しを交付日から保存しなければならないと規定されており、さらに同条第6項では、運搬受託者・処分受託者から送付を受けた管理票の写しについても保存義務が課されています。
これらの条文にある「環境省令で定める期間」は、廃棄物処理法施行規則第8条の21の2および第8条の26においていずれも5年とされています。つまり、法律で保存義務の枠組みが定められ、具体的な年数は施行規則で補完されている構造です。
保存の対象となる書類と起算日
紙マニフェストで考えると、排出事業者が保存すべき書類はA票・B2票・D票・E票の4種類です。このうちA票は、交付した日を起算日として5年間保存します。一方、B2票・D票・E票は、収集運搬業者や処分業者から送付を受けた日が起算日となるため、A票とは数え始めの日が異なります。
実務上は、すべての票をA票の交付日基準でまとめて管理すると、最も返送が遅くなるE票(最終処分終了報告)の到着を待つ間に整理が煩雑になりがちです。E票の受領日を基準に5年間保存すると決めておくと、結果としてすべての票を確実にカバーできるため、管理のしやすさという点で有効な工夫といえます。
電子マニフェストの場合
電子マニフェスト(JWNET)を利用している場合、管理票の情報は情報処理センター側のシステム上に記録・保存される仕組みになっています。紙のように事業所内で書類を綴じて保管する作業自体は発生しませんが、保存義務そのものがなくなるわけではなく、必要な情報がシステム上で確認できる状態を維持しておくことが前提です。紙・電子いずれの方式でも、行政の立入検査時に速やかに確認できる状態にしておく必要がある点は変わりません。
違反した場合の罰則
管理票やその写しを保存しなかった場合、廃棄物処理法第27条の2第5号により、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象となります。「処理自体は適正に行っていた」としても、書類が保存されていなければそれを証明する手段がなくなってしまう点に注意が必要です。
保存義務と報告義務は別のもの
なお、毎年6月30日までに前年度のマニフェスト交付等状況を都道府県知事等へ報告する義務(第12条の3第11項に基づく別の手続)と、日々の保存義務は別個の義務です。報告書を提出したからといって、個々の管理票の保存を省略してよいわけではありません。両者を混同せず、それぞれの期限・期間を管理することが求められます。
マニフェストの保存は、地味に見えて排出事業者責任を証明するための最後の砦です。紛失に気づいた際に慌てて再交付することも認められていないため、日頃からの整理・保管体制の整備が、いざというときに事業を守ることにつながります。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、 公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。
- 産廃収集運搬業許可特化事務所
- 行政書士吉田哲朗事務所
申請なら産廃収集運搬申請特化の行政書士吉田哲朗事務所にお任せ下さい。
個人事業主、法人のお客様問わず、たくさんのお問合せを頂いております。
・JWセンターの収集運搬過程終了の行政書士による講習試験アドバイス
・経理的基礎である財務把握はもちろん、中小企業診断士とタイアップ
・最短3日で申請!
〒460-0008
愛知県名古屋市中区栄5丁目19-31 T&Mビル3F-3X
行政書士吉田哲朗事務所
吉田 哲朗
TEL052-380-3173
Mobile:090-6090-0386
Email:info@office-yoshida-te.com
Facebook
Instagram
X(Twitter)
YouTube
投稿者プロフィール

最新の投稿







