「事業を広げるために隣の県でも許可を取りたいが、車両の表示はどうなるのか」「新しい都道府県に申請するとき、これまでの許可番号は関係あるのか」――複数の都道府県での展開を考える事業者から、こうした質問を受けることが少なくありません。車両表示のルールと他都道府県での許可取得手続きは、実は同じ「固有番号」という仕組みでつながっています。ここでは両者の関係を整理します。

車両に表示する許可番号のおさらい

 産業廃棄物収集運搬車には、走行中でも第三者が一目で確認できるよう、車体の両側面に必要事項を表示することが義務付けられています。施行規則第7条の2の2では、産業廃棄物収集運搬業者について「運搬車である旨」「氏名又は名称」「許可番号(下6けたに限る)」の3点を表示すると定めており、事業を営むうえで基本となる決まりです。

許可番号は4つの要素でできている

 許可番号は10桁または11桁の数字で構成されており、都道府県・政令市を示す番号(2桁または3桁)、業の種類を示す番号(1桁)、都道府県等が自由に使える番号(1桁)、そして最後の6桁にあたる固有番号という4つの要素からできています。この固有番号こそが、車両表示で求められている数字にあたります。

他の都道府県で新たに許可を取るとき、固有番号はどうなるか

 複数の都道府県にまたがって事業を行う場合、収集運搬業の許可は積込みを行う都道府県ごとに個別の取得が必要です。しかし、だからといって都道府県の数だけ固有番号が増えるわけではありません。環境省の取扱要領では、いずれかの都道府県等で最初に許可を受けた時点で固有番号が一つ付与され、すでに固有番号を持っている事業者に対しては新たな固有番号を付さないという運用が定められています。

 つまり、他の都道府県で新規に許可を申請する際には、申請者側が既存の許可番号(固有番号)を正確に申告することが重要になります。申請を受けた都道府県等は、その情報をもとに固有番号を確認し、既存の番号に自らの県番号を組み合わせた許可番号を発行する仕組みです。過去の許可情報が正しく伝わらないと、本来同じであるはずの固有番号が意図せず食い違ってしまう可能性もあるため注意が必要です。

複数の許可を持つ場合、車両にはどの番号を表示すればよいか

 固有番号は複数の都道府県で許可を受けていても共通であるため、車両に表示する下6桁の数字自体は変わりません。ただし実際の運用では都道府県ごとに指導内容が異なる場合があるため、すべての許可番号を並べて表示するのか、固有番号のみで足りるのかは、事前に管轄行政庁へ確認しておくと安心です。更新や変更届によって固有番号が変わることはありませんが、車両を増車・入れ替えした際の表示漏れには気を配る必要があります。

実務上のポイント

 他都道府県での許可取得を検討する際は、既存の許可証に記載された許可番号をあらかじめ整理し、申請書類に正確に反映させることが重要です。特に、法人名や代表者名に変更がある場合、どの許可証に記載された固有番号が最新かを明確にしておくことで、新しい都道府県での審査もスムーズに進みます。あわせて、既存の許可証の写しや変更履歴を手元に整理しておくと、窓口での確認作業にも落ち着いて対応できます。番号の仕組みを正しく理解し、日頃から書類を整えておくことが、事業を守ることにつながります。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。

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吉田哲朗
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