「排出場所から処分場まで運ぶ途中で、少し積み下ろすだけでも積替え保管の許可が要るのか」という疑問は、収集運搬の実務でよく聞かれます。結論としては、単に荷を下ろす行為があったかどうかではなく、その行為に「連続性」があるかどうかで判断されます。

施行令が定める保管の基準

 前提となるのが、廃棄物処理法施行令第6条第1項第1号ホが定める収集運搬過程の保管基準です。運搬途中の保管は、次の条件を満たす積替えに限って認められており、これを満たさない保管は原則として認められません。

  • あらかじめ積替え後の運搬先が定められていること
  • 搬入量が保管場所で適切に管理できる範囲にとどまること
  • 廃棄物の性状が変化しないうちに搬出すること

「連続性」という判断基準

 では、「一時的に下ろす行為」がどこまでなら保管に当たらないのか。この点については、厚生省(当時)が示した行政解釈が参考になります。昭和60年7月26日付けの通知(衛産第42号)では、収集運搬してきた車両から次の運搬に使う車両への積み替えが連続して行われる限り、保管行為を伴うものとは解さなくてよいという考え方が示されています。逆にいえば、その積み替えに連続性がなければ、保管行為が生じているものとして扱われることになります。荷下ろしから次の車両への積み込みまでが一連の作業として連続していれば保管とはみなされにくい一方、その間に時間的な断絶があれば保管を伴うものと扱われる可能性が高くなる、という整理です。

具体的な場面で考える

 実際の現場では、次のような違いで判断が分かれやすくなります。

  • 同じ日のうちに複数の排出場所を回り、その日のうちにまとめて処分場へ搬入する運用:連続性が認められやすいケース
  • 廃棄物を積んだ車両を翌日まで留め置く、または複数日にわたって同じ場所に置いたまま随時搬出する運用:連続性が途切れていると判断されやすく、積替え保管に該当する可能性が高いケース

 ただし、この線引きは自治体ごとの運用や個別の事情によって判断が分かれやすい部分でもあります。グレーゾーンにあたる運用を続ける前に、許可権者である都道府県・政令市の窓口へ事前に確認しておくことが、後々の是正指導を避けるうえで確実です。

まとめ

 積替え保管に該当するかどうかは「下ろしたかどうか」ではなく「連続性が保たれているかどうか」で見られるという視点を持っておくと、日々の運用を振り返る際の判断材料になります。曖昧な運用を放置せず、必要に応じて許可の見直しを検討することが、事業の安定につながります。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、 公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。

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吉田哲朗
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