
産業廃棄物収集運搬業許可で「動植物性残さ」を取り扱う場合、事業計画では、どのような排出元から、どのような廃棄物を収集し、どのような方法で運搬するのかを具体的に整理する必要があります。
動植物性残さは、食品に関係する廃棄物がすべて該当するわけではありません。排出元の業種や廃棄物が発生する工程を確認し、産業廃棄物としての動植物性残さに該当するかを判断することが重要です。
動植物性残さとは
動植物性残さとは、食料品製造業、飲料製造業、飼料製造業、医薬品製造業、香料製造業などの事業活動において、原料として使用した動物または植物から生じた固形状の不要物をいいます。
具体例としては、食品製造工程から発生する野菜くず、果物くず、魚や肉のあら、製造かす、醸造かす、発酵かすなどが挙げられます。
判断するときは、廃棄物の名称や見た目だけではなく、排出元の業種と発生工程を確認することが大切です。
例えば、飲食店、食品小売店、魚市場などから排出される調理くずや売れ残り食品は、原則として事業系一般廃棄物として扱われます。
ただし、同じ事業者であっても、製造工場と店舗では、廃棄物が発生する事業活動が異なる場合があります。実際の業務内容や発生場所を確認したうえで、廃棄物の種類を整理しなければなりません。
排出元の業種と発生工程を確認する
事業計画を作成するときは、まず想定している排出元について、具体的な事業内容を確認します。
排出元の候補としては、食品製造工場、製麺工場、菓子製造工場、水産加工工場、食肉加工工場、飲料製造工場などがあります。
ただし、「食品工場から排出される」という理由だけで、すべての廃棄物が動植物性残さになるわけではありません。
例えば、食品の原料から発生した製造かすは動植物性残さに該当する可能性がありますが、容器や包装材は廃プラスチック類、金属くずなど、別の産業廃棄物に該当する場合があります。
事業計画を立てる際には、次の内容を整理します。
・排出事業者の名称と所在地
・排出事業者の具体的な事業内容
・廃棄物が発生する製造工程
・廃棄物の具体的な名称と性状
・1回当たりの予定運搬量
・月間または年間の予定運搬量
・収集する頻度
・予定している運搬先
「食品くずを運搬する」という説明だけではなく、何を製造する工程から、何が発生するのかまで具体化することが重要です。
廃棄物の性状に合った運搬方法を考える
動植物性残さは、水分や油分を含み、腐敗、悪臭、液漏れなどが発生しやすい場合があります。
そのため、事業計画では、廃棄物の水分量、形状、腐敗性、液漏れや悪臭の可能性などを踏まえ、適切な運搬車両や容器を選定します。必要に応じて、ふた付き容器や、密閉性・防水性を備えた容器を使用し、運搬中の飛散、流出、悪臭を防止します。
事業計画書に運搬容器を記載する場合は、容器の種類、材質、容量、密閉方法などを具体的に整理しておくと、運搬方法の妥当性を説明しやすくなります。
予定している廃棄物の性状と、車両・容器の内容が一致していることが重要です。
排出元から運搬先までの流れを整理する
事業計画では、想定している排出元、運搬区域、運搬先、予定運搬量などを整理し、事業開始後の収集運搬の流れを具体的に示します。
運搬先を予定している場合は、その処分業者が動植物性残さを取り扱える許可を持っているか、予定している性状の廃棄物を受け入れられるかを確認しておく必要があります。
動植物性残さの処分方法には、堆肥化、飼料化、メタン発酵、焼却などがありますが、実際の受入品目や条件は処分施設によって異なります。
また、実際に産業廃棄物の処理を委託する際は、排出事業者が収集運搬業者や処分業者と委託契約を締結し、紙マニフェストの交付または電子マニフェストへの登録を行います。
まとめ
動植物性残さの事業計画を立てる際は、廃棄物の名称だけで判断せず、排出元の業種、発生工程、廃棄物の性状、運搬量、収集頻度、車両・容器、運搬先を具体的に整理することが重要です。
特に、食品に関係する廃棄物であっても、排出元の業種や発生工程によっては、動植物性残さではなく、事業系一般廃棄物や別の産業廃棄物に該当する場合があります。
申請前に排出事業者から詳しく聞き取りを行い、実際に実施できる内容として事業計画を組み立てることが、許可申請を円滑に進めるポイントです。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。
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