拠点を構えて廃棄物を中継させたい。そう考えて手引きを開いたものの、書類の量に圧倒されて手が止まってしまう方は少なくありません。積替え保管ありの申請は、書類を集める作業というより事業計画と場所づくりを先に固める作業だと考えると、準備の道筋が見えてきます。ここでは、着手前に押さえておきたい要点を順に整理します。

最初に決まるのは「どこの窓口に出すか」

 収集運搬業の許可は、法第14条第1項により業を行おうとする区域を管轄する都道府県知事から受けます。運搬だけを行う場合は積卸しを行う区域に限られますが、積替え保管を行うならその施設がある区域も許可が必要な区域になります。ここで押さえておきたいのが、法第24条の2と施行令第27条により、産業廃棄物に関する事務を指定都市および中核市の長が処理することとされている点です。積替え保管なしの許可は原則として都道府県に一元化されていますが、積替え保管施設がこれらの市の区域内にあるときは、都道府県ではなくその市長の許可を受けることになります。

土地の適法性は図面より先に確認する

 施設の図面づくりに入る前に確かめたいのが、その土地を使える根拠です。自己所有なら登記事項証明書、借地なら賃貸借契約書に加えて所有者の使用承諾書を求められるのが一般的です。あわせて、都市計画法の用途地域、農地法、建築基準法、自治体の生活環境保全条例といった廃棄物処理法以外の規制もクリアしているかを確認します。自治体によっては、関係部署への確認結果をまとめた様式の提出を求める運用もあります。ここが崩れると図面も計算書もやり直しになるため、最優先で押さえておきたい部分です。

施設と保管量を数字で説明する書類

 審査の中心になるのが、施設の構造と保管量を示す資料です。位置図・周辺見取図・平面図・構造図・排水経路図といった図面一式に加えて、保管面積や容量の計算書を求める自治体が一般的です。保管量の上限は施行令第6条第1項第1号ホにより、その場所の1日当たりの平均的な搬出量の7日分を超えてはなりません。囲いや掲示板も設計段階から織り込む必要があり、掲示板は縦横60センチメートル以上で、通常の記載事項に加えて積替えのための保管上限を表示することが施行規則第7条の3で定められています。

事前協議と周辺への説明に時間を見込む

 自治体によっては、許可申請の前段階として事前協議の手続きが設けられています。周辺住民への事業計画の説明を申請前に求める県もあり、生活環境保全のための措置や計画地の周辺状況をまとめた資料を提出したうえで、申請書を出す流れになります。標準処理期間を60日程度としている自治体でも、審査の状況によってはそれを超えることがあると案内されています。着手から許可までを数か月単位で見込むのが現実的です。

申請者そのものに関する書類は共通

 講習会修了証、経理的基礎を示す決算書や納税証明書、欠格要件に関する住民票や登記されていないことの証明書、車両の自動車検査証記録事項の写しや写真といった書類は、積替え保管なしの申請と基本的に共通です。手数料は新規の収集運搬業なら81,000円ですが、すでに積替え保管なしの許可を持っていて積替え保管を追加する場合は法第14条の2の変更許可となり、手数料は71,000円です。どちらに当たるのかを最初に整理しておきましょう。

順番を間違えないことが最短ルート

 積替え保管ありの準備は、場所の確定と適法性の確認、施設設計と保管量の計算、事前協議、申請書類の作成という順に進めるのが基本です。書類を先に書き始めるより、土地と計画を固めてから形にするほうが結果的に早く進みます。早い段階で管轄窓口に相談し、自治体ごとの運用を確認しながら進めることが、確実な許可取得につながります。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。

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