「愛知県内で産業廃棄物を運びたいけれど、県の許可を取ればいいのか、名古屋市の許可も別に必要なのか分からない」――このご相談は本当に多くいただきます。愛知県内で廃棄物処理法上の許可権限を持つのは、県のほかに名古屋市・豊橋市・岡崎市・一宮市・豊田市の5市です。名古屋市は地方自治法上の政令指定都市、残る4市は中核市ですが、廃棄物処理法では法第24条の2と施行令第27条により、これらをまとめて「政令市」(愛知県の案内では「県内政令市」)と呼びます。普段使う「政令指定都市」とは指す範囲が違うため、ここが混乱しやすいところです。以下では、愛知県で新たに許可を取りたい方に向けて、申請先・手数料・審査期間までの流れを整理します。

結論:積替え保管をしないなら、愛知県知事の許可ひとつで足ります

 先に結論からお伝えします。積替え・保管を行わない収集運搬であれば、愛知県知事の許可を1つ取得することで、名古屋市内を含む愛知県内全域で積卸しができます。平成22年の廃棄物処理法改正(平成23年4月1日施行)により、積替え保管を含まない収集運搬業の許可権限が都道府県知事に一元化されたためです。名古屋市も、愛知県の許可があれば市内での積替え・保管を伴わない収集運搬を行える旨を公表しています。ただし県内政令市に積替え・保管施設を設ける場合は、その市長の許可も必要です。ここは切り分けて考えてください。

申請先は県庁ではなく「県民事務所等」です

 意外と間違えやすいのが提出先です。申請窓口は県庁の本課ではなく、市町村ごとに所管が分かれた出先機関で、愛知県はこれを「各県民事務所、東三河総局、東三河総局新城設楽振興事務所」と案内しています。
 具体的には尾張・海部・知多・西三河の4県民事務所と、東三河総局および新城設楽振興事務所で、西三河県民事務所は廃棄物対策課とみよし市を所管する豊田加茂環境保全課に分かれています。東三河総局は「県民事務所」ではないため、「県民事務所に出す」と覚えていると豊川市・蒲郡市・田原市などで窓口を間違えます。積替え・保管を行わない場合、県内(政令市を除く)に本店や主たる事務所がある会社はその所在地を所管する窓口へ、本店が県内政令市または愛知県外にある会社は希望する窓口へ申請できます。いずれも事前に相談したうえで、申請書と手数料を持参して提出する運用です。
 積替え・保管を行わない場合、県内(政令市を除く)に法人の本店や主たる事務所がある会社はその所在地を管轄する県民事務所等へ、本店が愛知県外または県内政令市にある会社は任意の県民事務所等へ申請します。名古屋市に本社がある会社は申請先を選べる、ということです。いずれも事前に相談したうえで、申請書と手数料を持参して提出する運用です。

手数料と審査期間の目安

 手数料は新規許可81,000円、更新許可73,000円で、愛知県収入証紙または窓口キャッシュレス決済により納入します。申請書は正本と写しの2部です。標準処理期間は39日(土曜・日曜・祝日を除く)とされ、愛知県は「事業を営もうとする時期の約2か月前」の提出を案内しています。取引先から「いつから運べますか」と聞かれている方は、逆算して準備を始めてください。

申請前に確認しておきたいこと

 書類作成に入る前に、次の点を確認しておくと安心です。まずJWセンターの講習会(収集・運搬課程)の修了証です。新規課程の修了証は許可申請上、修了日から5年の範囲で有効とされる運用が一般的で、申請時点で有効であることが必要です。次に運搬車両と運搬容器、取り扱う産業廃棄物の種類、そして積込場所と荷卸場所(処分先)の所在地です。荷卸先が岐阜県や三重県にあるなら、その県の許可も別に必要になります。加えて経理的基礎、つまり直近の決算内容も審査の対象です。愛知県は経理的基礎に関する審査基準を公表しており、決算の状況によっては中小企業診断士や公認会計士による経営診断書の添付を求められる場合があります。

行政書士に依頼するメリット

 産業廃棄物収集運搬業許可は、申請前の整理で結果がほぼ決まる許可です。どの都道府県の許可が必要か、今の決算内容で経理的基礎を説明できるか、講習が申請時期に間に合うか。これらを先に洗い出しておけば、補正のやり取りで数週間を失う事態を避けられます。行政書士に依頼する価値は、書類の代書だけではなく「今の自社の状態で申請できるのか」を申請前に見極められる点にあります。

愛知県で産廃許可の取得を検討している方へ

 「県の許可か市の許可か分からない」「どの県民事務所に出せばよいのか判断できない」「決算内容で許可が下りるか不安」「講習をまだ受けていない」。こうした段階でのご相談で構いません。行政書士吉田哲朗事務所では、申請先・決算状況・講習の受講状況・車両・運搬容器・取り扱う産業廃棄物の種類・処分先を確認したうえで、申請までに必要な準備を整理します。岐阜県・三重県など他県が絡むケースもご相談ください。まずは「自社は何から始めればよいのか」を確認することが、事業を守ることにつながります。

【産業廃棄物収集運搬業許可について相談する】

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、
公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。

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吉田哲朗
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