産業廃棄物収集運搬業の許可を取ろうとするとき、多くの事業者が迷うのが「何品目を申請すればよいのか」という点です。「将来のために扱えそうな品目は全部入れておきたい」と考える方もいれば、「余分な品目を書くと審査が厳しくなるのでは」と心配される方もいます。どちらも自然な感覚ですが、品目は許可の効力が及ぶ範囲そのものを決めるものです。判断の軸は実際に運搬する予定があるかどうかに置くのが基本になります。

結論は「運ぶ予定のある品目に絞る」

 申請する品目は、取引が見込まれる廃棄物を基準に選びます。運搬の予定がない品目まで並べると、事業計画の説明と実態が合わなくなり、かえって審査の中で確認を求められる原因になります。反対に、必要な品目を落としてしまうと、その廃棄物は許可の範囲外となり、運搬すれば無許可営業と扱われます。多すぎても少なすぎても困るという前提に立ち、契約が具体化している廃棄物を中心に、近い将来引き受ける可能性が高いものまでを含めて組み立てるのが現実的です。

産業廃棄物は法令で20種類に限定されている

 産業廃棄物は、廃棄物処理法とその施行令によって20種類に限定されています。燃え殻、汚泥、廃油、廃プラスチック類、金属くず、がれき類などが代表例です。ここで注意したいのが、紙くず・木くず・繊維くず・動植物性残さなど、排出する業種が限られている品目があることです。また、石綿含有産業廃棄物や水銀使用製品産業廃棄物は独立した品目ではなく、がれき類や廃プラスチック類などに付記して申請する扱いになります。

整理するときの三つの視点

 品目を絞り込むときは、まず誰から出た廃棄物かを確認します。排出事業者の業種によって、同じ廃材でも該当する品目が変わるためです。次に性状です。固体か、泥状か、液状かによって、汚泥・廃油・廃酸などの区分が決まります。最後に運搬容器と車両が品目に適合しているかを確認します。たとえば、飛散のおそれがある品目では密閉できる容器が求められ、汚泥や廃油では漏れない構造が必要になります。解体現場のように混合廃棄物として引き取る場合は、その中身を一つずつ品目に分解して考えることが欠かせません。

後から品目を増やすには変更許可が必要

 いったん取得した許可に品目を追加する場合は、廃棄物処理法第14条の2第1項の変更許可が必要です。届出では済みません。愛知県の場合、変更許可の申請手数料は71,000円で、審査にも一定の期間がかかります。なお、品目を減らす(事業の一部廃止)場合は届出で足ります。追加のたびに費用と時間が生じるため、最初の申請でどこまで含めるかの設計が実務上は重要になります。

迷ったときは早めに整理を

 品目の選定は、法令の分類だけで決まるものではなく、取引先から持ち込まれる廃棄物の実態と照らし合わせて初めて固まります。取引先の業種や現場の状況を伝えていただければ、必要な品目と、今は不要な品目を切り分けて整理することができます。申請前の段階で品目を正しく組み立てておくことが、後の変更許可の手間を減らし、事業を守ることにつながります。

【産業廃棄物収集運搬業許可について相談する】

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。

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