
「うちが運ぶのは廃プラスチック類でいいはずだ」——産業廃棄物収集運搬業許可の準備を進めるなかで、申請書の品目欄の記載に迷う事業者は少なくありません。取引先から出てくるものが、素材や付着物によって別の品目になることがあるためです。品目を誤ったまま許可を受けると、実際の運搬が許可の範囲外になり、委託契約書やマニフェストの記載とも食い違いが生じます。ここでは、廃プラスチック類の判断ポイントを許可申請の視点から整理します。
法律に直接列挙され、業種の限定がない品目
結論から言えば、廃プラスチック類は判断がやさしそうに見えて、取りこぼしの起きやすい品目です。法律上は、廃棄物処理法第2条第4項第1号に、燃え殻・汚泥・廃油・廃酸・廃アルカリと並んで直接列挙されており、政令に委ねられた品目ではありません。そして業種の限定がないため、事業活動に伴って生じたプラスチックであれば、業種を問わず産業廃棄物として扱われます。オフィスから出た梱包材でも、工場から出た成形不良品でも扱いは同じです。
素材で分かれる合成ゴム・合成繊維の扱い
まず迷いやすいのが素材の見極めです。名称から合成樹脂だけを思い浮かべがちですが、実務では合成ゴムや合成繊維も廃プラスチック類として扱われます。発泡スチロールやペットボトル、塩化ビニル管に加え、使用済みのタイヤ、合成皮革の端材、化学繊維の裁断くずも同じ区分です。一方で、天然ゴムであればゴムくず、天然繊維であれば繊維くずとなり、繊維くずには排出業種による限定もあります。見た目が似ていても、素材が違えば申請すべき品目が変わります。
付着物・混合状態と、石綿含有・PCBの注意点
次に確認したいのが、付着物と混合状態です。塗料や溶剤が付着した容器などは、その状態によって廃油との混合物として扱われることがあります。建設現場の混合廃棄物も同様で、金属くずやがれき類と一体になっている場合は、構成するすべての品目について許可が必要です。また、工作物の新築・改築・除去に伴って生じ、石綿を重量の0.1%を超えて含有するもの(廃石綿等を除く)は石綿含有産業廃棄物にあたり、破砕しない方法で運搬し他の廃棄物と混合しないようにする等の措置が定められています。さらに、PCBが付着し、又は封入された廃プラスチック類は特別管理産業廃棄物に区分され、通常の産業廃棄物収集運搬業許可では取り扱えません。
自治体ごとに異なる運用と、申請先の考え方
さらに、申請の運用面には自治体ごとの違いがあります。品目欄に石綿含有産業廃棄物を含むかどうかの明記を求める自治体もあれば、事業計画に運搬物の性状や積込・荷卸し先まで具体的な記載を求める自治体もあり、様式や記載の粒度は一様ではありません。運搬容器や車両写真の求め方にも地域差があるため、他県で許可を取った経験があっても同じ手順で進むとは限りません。積込みと荷卸しが別の都道府県にまたがる場合は、それぞれの許可が必要になる点にも注意してください。
行政書士に依頼するメリット
品目の判断は、許可の範囲そのものを決める部分です。許可を受けた後に扱う品目を増やすには事業の範囲の変更許可が必要になり、時間も費用もかかります。行政書士に依頼すれば、取引先から実際に排出されるものを聞き取ったうえで、素材・付着物・混合状態を踏まえた品目構成を整理し、自治体ごとの様式や運用に合わせて申請書を組み立てることができます。最初の申請で品目欄を正確に整えておくことが、後々のトラブルを防ぎ、事業を守ることにつながります。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。
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