廃棄物の適正な処理と環境保全を目的とする「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)」では、
違反行為に対しての行政処分や、事業者等に対しての行政報告が重要な役割を担っています。

廃棄物処理法における行政処分とは

廃棄物処理法に違反した場合、行政機関(都道府県知事や市町村長など)は、次のような行政処分を行うことができます。

主な行政処分の例

  • 許可取消処分
    • 廃棄物収集運搬業者や処分業者が重大な違反(不法投棄など)をした場合、許可が取り消されます。
  • 事業停止命令
    • 一定期間、業務を停止するよう命じる処分です。違反の是正と再発防止を目的とします。
  • 改善命令
    • 適正な処理を行うために、施設の改善や運搬方法の見直しを命じることがあります。

行政処分の根拠

  • 廃棄物処理法第14条の3(許可取消等)
  • 第19条の5(改善命令)
  • 第20条(措置命令)など

違反の程度に応じて、警告だけにとどまる場合もあれば、厳しい処分が科される場合もあります。


廃棄物処理法における行政報告とは

廃棄物処理に携わる事業者は、行政機関に対して業務状況を報告する義務を負うことがあります。

主な行政報告の例

  • 産業廃棄物管理票(マニフェスト)に関する報告
    • 適正に廃棄物が処理されたかどうかを記録・報告します。
  • 事業計画や実績の報告
    • 廃棄物処理業者が毎年、処理量や処理方法などについて届け出る必要があります。
  • 特定施設に関する届出・報告
    • 焼却施設や最終処分場など、環境への影響が大きい施設については、特別な報告義務が課されています。

行政報告の根拠

  • 廃棄物処理法第12条(事業者の義務)
  • 第12条の3(特定施設に関する届出)など

これらの報告によって、行政機関は現場の適正管理を把握し、必要に応じて指導や処分を行います。


まとめ

区分内容目的主な根拠条文
   行政処分違反者に対して行う許可取消、事業停止、改善命令等 違反是正・環境保護第14条の3、第19条の5、第20条
   行政報告業務状況や処理実績を行政機関に報告 監督・指導・透明性確保第12条、第12条の3

廃棄物処理法における行政処分行政報告は、適正な廃棄物処理を維持し、
環境と公共の安全を守るために不可欠な制度です。
事業者にとっては、常に法令遵守と適切な対応が求められます。

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