
廃棄物処理法では、不法投棄や不法焼却は重大な違法行為として厳しく規制されています。
では、実際に投棄や焼却に至らなかった「未遂」の段階でも責任は問われるのでしょうか。
本記事では、条文の位置づけを踏まえながら、不法投棄・不法焼却の未遂について整理します。
不法投棄の法的根拠
不法投棄は、廃棄物処理法第16条により禁止されています。
同条は、「何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない」と規定しています。
山林や空き地、河川敷、他人の土地などへ廃棄物を放置・投棄する行為が典型例です。
違反した場合、刑事罰の対象となります。
不法焼却の法的根拠
不法焼却については、同法第16条の2で原則禁止とされています。
廃棄物の焼却は、法令で定められた焼却施設や例外的な場合を除き認められていません。
いわゆる「野焼き」は、この規定に違反する可能性が高い行為です。
未遂は処罰されるのか
ここが重要なポイントです。
廃棄物処理法では、不法投棄(第16条)および不法焼却(第16条の2)について、罰則規定側で未遂を処罰する旨が定められています(第25条第2項)。
つまり、
・廃棄物を投棄する目的で現場に運搬した
・焼却の準備を整え、実行直前の状態にあった
といった場合でも、行為の具体的状況によっては未遂として処罰される可能性があります。
刑法上の未遂と同様に、「実行の着手」があったかどうかが判断のポイントになります。
「まだ捨てていない」「まだ燃やしていない」という理由だけで責任を免れるとは限りません。
罰則の内容
不法投棄・不法焼却の既遂および未遂については、原則として5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金(または併科)とされています。
さらに、法人の業務として違反が行われた場合には、両罰規定(第32条)が適用され、法人自体も罰金刑の対象となります。
法人に対しては、最大3億円以下の罰金が科される可能性があります。
許可業者への影響
産業廃棄物処理業の許可業者が違反した場合、刑事罰だけでなく、行政処分の対象となる可能性があります。
違反の内容や程度によっては、業務停止や許可取消といった重大な結果につながることもあります。
未遂であっても刑事責任が問われ得る以上、行政上の評価にも影響を及ぼす可能性がある点に注意が必要です。
実務上のリスク管理
未遂も処罰対象となることから、事業者には次のような体制整備が求められます。
・適正な処理委託先の確認
・マニフェストの適正運用
・保管基準の遵守
・従業員への継続的な法令教育
違反は「結果」だけでなく、「着手段階」から問題となり得ます。
違法行為に向かうプロセス自体が重大なリスクであるという認識が重要です。
まとめ
不法投棄や不法焼却は、社会的影響が大きく、廃棄物処理法により厳しく処罰されます。
そして、その未遂についても、第25条第2項により処罰対象とされています。
事業者は、単に「実行しなければよい」という発想ではなく、違法行為に至る可能性を排除する体制づくりを行う必要があります。
法令理解と内部統制の強化こそが、最大のリスク回避策といえます。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。
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