一般廃棄物の収集運搬は、産業廃棄物とは異なり、市町村ごとの許可制度によって管理されています。
そのため、事業者が一般廃棄物の収集運搬を受託する場合は、許可の範囲や委託の方法を正しく理解しておく必要があります。

ここでは、一般廃棄物の収集運搬を受託する際の基本的な考え方と実務上の注意点を整理します。


一般廃棄物は市町村が処理責任を負う

廃棄物処理法では、一般廃棄物の処理については市町村が統括的な責任を負うとされています。

のため、一般廃棄物の収集運搬を業として行うには、当該区域を管轄する市町村長の許可を受けた一般廃棄物収集運搬業者であることが原則です。

また、一般廃棄物の制度は市町村ごとに運用されるため、

  • 許可は市町村単位で与えられる
  • 他の市町村ではそのまま使用できない
  • 自治体ごとに基準や運用が異なる

という特徴があります。

産業廃棄物のように都道府県単位ではない点に注意が必要です。


排出事業者から受託できる者

事業者が一般廃棄物の収集運搬を委託する場合、委託先は次のいずれかでなければなりません。

1 当該市町村の一般廃棄物収集運搬業の許可を受けた者
2 市町村が処理を委託している指定業者
3 市町村自らが処理する場合

したがって、

  • 許可を持っていない事業者
  • 産業廃棄物の許可のみの業者
  • 他市町村の許可しかない業者

に対して収集運搬を委託することはできません。

許可のない受託は無許可営業となるおそれがあります。


よくある誤解

実務では次のような誤解が多く見られます。

  • 産廃の許可があるから運べる
  • 元請から頼まれたから大丈夫
  • 運搬だけなら問題ない
  • 事業所から出たごみは全部産廃

これらはすべて正しくありません。

廃棄物の区分は、

  • 種類
  • 性状
  • 排出形態
  • 法令上の分類

によって判断されます。

例えば、

  • 事業所から出た廃棄物でも一般廃棄物になる場合がある
  • 建設現場でも一般廃棄物が含まれることがある
  • 可燃ごみでも産業廃棄物に該当する場合がある

など、内容によって扱いが変わります。

区分を誤ると、

  • 無許可運搬
  • 委託基準違反
  • 行政指導
  • 罰則

につながる可能性があります。


市町村の委託制度がある場合

多くの自治体では、

  • 市町村が直接回収する
  • 指定業者に委託して回収する

という体制が取られています。

このため実務上は、

  • 新規許可が出ない
  • 既存業者のみで運用されている
  • 一般の事業者は参入できない

というケースも少なくありません。

一般廃棄物の制度は自治体ごとの運用差が大きいため、受託する前に市町村へ確認することが重要です。


まとめ

一般廃棄物の収集運搬を受託する場合は

  • 市町村ごとの許可制度である
  • 原則として当該市町村の許可が必要
  • 他市町村の許可では受託できない
  • 市町村委託制度がある場合が多い
  • 廃棄物区分の判断を誤らないこと

これらを理解しておく必要があります。

一般廃棄物は産業廃棄物よりも地域ごとの運用差が大きいため、事前確認を行ったうえで受託することが重要です。


※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。

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