
産業廃棄物の処理実務では、**「自ら保管」**の考え方を正しく理解しておくことが重要です。
自ら保管とは、排出事業者が自らの責任において、産業廃棄物を一時的に保管する行為を指します。
このとき、実務上の大きな分かれ目となるのが、保管場所が「事業場内」か「事業場外」かという点です。
同じ「保管」であっても、場所や実態によって、適用される基準や求められる整理が異なるため、注意が必要です。
事業場内での自ら保管の考え方
事業場内保管の位置付け
排出事業者が、自社の工場・事務所・作業場など、同一の事業場内で産業廃棄物を保管する場合、原則として 通常の自ら保管 に該当します。
ただし、事業場内であれば自由に置いてよい、という意味ではありません。
事業場内保管で求められる管理
事業場内での自ら保管であっても、廃棄物処理法上の保管基準に沿った管理が必要です。
具体的には、次のような点が求められます。
- 囲い・掲示板の設置
- 飛散・流出・地下浸透の防止
- 屋外保管の場合の雨水対策
- 他の物品との明確な区分
- 適正な保管量・保管期間の管理
これらは、保管場所が事業場内であっても共通して求められる考え方です。
管理が不十分な場合には、行政指導の対象となる可能性があります。
事業場外での自ら保管が問題になりやすい理由
事業場外保管とは
排出事業場とは別の場所(資材置場、空き地、別拠点など)で、排出事業者自身が産業廃棄物を保管するケースを指します。
この 「事業場外」 という点が、法令上・実務上の判断を難しくする要因となります。
単なる保管では整理できないケース
事業場外での保管は、実態によっては、
- 積替え保管と評価される
- 収集運搬業許可の要否が問題になる
- 処理工程の一部とみなされる
といった整理がされる可能性があります。
特に、排出事業場 → 事業場外の保管場所 → 処分場という流れになる場合、行政庁から 「積替えを伴う運搬・処理」 と見られることがあります。
事業場外保管と法的整理の注意点
事業場外の施設で産業廃棄物を保管する場合でも、必ずしも直ちに違法となるわけではありません。
しかし、次の点が厳しく確認されます。
- その場所が事業場の一部といえるか
- 保管が一時的なものか
- 他人の廃棄物が混在していないか
- 実態として運搬後の工程になっていないか
- 集積・処理拠点化していないか
状況によっては、保管基準(事業場内保管)ではなく、処理基準が問題となる整理がされることもあります。
この点が、事業場外保管における最大の注意点です。
積替え保管に該当する場合の留意点
事業場外での保管が 「積替えのための保管」 と整理される場合には、
- 掲示板の記載内容
- 掲示場所
- 保管上限量の考え方
などが、通常の自ら保管とは異なる扱いになることがあります。
このため、形式だけで「自ら保管」と判断するのは危険といえます。
実務で多い誤解とトラブル
実務では、次のような誤解がよく見られます。
- 「自分の廃棄物だから、どこに置いても問題ない」
- 「量が少ないから大丈夫」
- 「処分場に行くまでの仮置きだから許される」
いずれも、判断を誤りやすい考え方です。
結果として、無許可行為と指摘されたり、是正指導を受けたりするケースも少なくありません。
まとめ
事業場内での自ら保管は、保管基準に沿った適切な管理を行うことで整理できます。
一方、事業場外での自ら保管は、積替え保管や処理工程と評価される可能性があり、慎重な判断が不可欠です。
重要なのは、名称や形式ではなく、実際の運用実態で判断されるという点です。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。
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