積替え保管ありで申請するのはどのような事業者か

産業廃棄物収集運搬業許可には、**「積替え保管を行わない場合」****「積替え保管を行う場合」**の区分があります。

実務では、「どの業者が積替え保管ありで申請するのか分からない」という声も多く聞かれます。

本記事では、業種名ではなく“実際の運搬行為”を基準に、積替え保管あり申請が必要となる事業者像を整理します。


積替え保管とは何か

積替え保管とは、産業廃棄物を排出事業場から収集した後、最終処分場または中間処理施設へ運搬する途中で、一度下ろして一定期間保管する行為をいいます。

  • 排出事業場 → 一時保管場所へ運搬
  • 一定期間保管
  • 別の車両等で処分場へ再運搬

このような流れを取る場合、積替え保管を行っていると整理されます。

一方、排出事業場から処分場へ途中で下ろさず直行する場合は、通常「積替え保管なし」となります。


積替え保管あり申請が必要かどうかの判断基準

重要なのは、業種や会社名ではなく、実際の運搬フローです。

判断のポイントは次のとおりです。

  • 収集した廃棄物を途中で下ろすか
  • 下ろした廃棄物を一定期間保管するか
  • 保管場所を業務として使用しているか

これらに該当する場合、積替え保管ありの許可区分で申請する必要が生じます。


積替え保管あり申請となりやすい事業者の具体例

1.建設系廃棄物を複数現場から回収する事業者

解体工事や改修工事などでは、1現場あたりの排出量が少ないケースが多く見られます。

複数の現場を回り、

  • いったん自社ヤードに集約
  • まとめて処分場へ運搬

という運用を行っている場合、積替え保管行為が含まれるため、積替え保管あり申請が必要となります。


2.少量排出事業場を定期回収する事業者

工場、倉庫、店舗などから、少量ずつ定期回収を行う業務形態では、

  • 1回の回収量が処分場持込みに満たない
  • ルート回収後に集約する必要がある

といった事情が生じやすくなります。

この場合、営業所や保管拠点で一時保管を行っていれば、積替え保管ありに該当します。


3.自社敷地内に保管ヤードを設けている事業者

自社敷地や営業所内に、

  • 囲い
  • 表示
  • 保管場所

を設け、業務として廃棄物を一時保管している場合も、積替え保管ありでの申請対象となります。

単に敷地があるだけでなく、保管行為が業務の一部として組み込まれているかが判断のポイントです。


4.処分場が遠方で直行運搬が現実的でない事業者

処分場が遠方にあり、

  • 回収時間と受入時間が合わない
  • 1日で往復できない

といった理由から、一時保管を前提とした運用を行っている場合も、積替え保管あり申請が必要となります。


積替え保管あり申請における注意点

積替え保管ありの場合、

  • 保管施設の状況
  • 管理方法
  • 周辺環境への配慮

などについて、行政庁から詳細な確認が行われるのが一般的です。

また、「実際には保管しているのに、積替え保管なしで申請する」といったケースは、是正指導や条件違反につながる可能性があります。


まとめ

積替え保管ありで申請する事業者とは、

  • 収集後、途中で廃棄物を下ろして保管する運用を行っている
  • 保管行為が業務フローに組み込まれている

このような実態を持つ事業者です。

業種名やイメージではなく、実際の運搬・保管の流れで判断することが重要となります。


※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。

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