
土地の掘削工事や建物の解体・建替え工事を行う際、地中から廃棄物が発見されるケースがあります。
いわゆる「埋設廃棄物」と呼ばれるものです。
埋設廃棄物は、過去に埋められた経緯が不明なことも多く、誰が排出事業者となるのか、どのように処理すべきかが問題になりやすい分野です。
本記事では、埋設廃棄物に関する事業者の整理と実務上の注意点を解説します。
埋設廃棄物とは何か
埋設廃棄物とは、過去に地中へ埋められ、現在の掘削行為によって発見・排出される廃棄物を指します。
代表的な例としては、
- コンクリート片・アスファルト片
- 古い配管・基礎材・瓦礫類
- 過去の事業活動に伴って埋設された産業廃棄物
などが挙げられます。
重要なのは、埋設された当時の適法・違法ではなく、現在排出された時点での取扱いが問題になる点です。
排出事業者は誰になるのか
埋設廃棄物の処理で最も重要なのが、排出事業者の特定です。
建設工事や掘削工事に伴って埋設廃棄物が発生した場合、原則として、当該工事を請け負った元請業者が排出事業者と整理されます。
過去に誰が埋めたのかが不明であっても、現在の工事行為によって廃棄物を排出した事実が重視されます。
そのため、
- 「昔の所有者が埋めたものだから関係ない」
- 「原因者が不明だから責任を負わない」
といった整理は、実務上は通用しません。
発注者との違いに注意
埋設廃棄物の場面では、発注者(施主)と元請業者の区別を誤りやすい点に注意が必要です。
建設工事に伴って生じた廃棄物については、発注者ではなく、工事を請け負った元請業者が排出事業者となるのが原則です。
この整理を誤ると、
- 処理委託契約の名義
- マニフェストの交付主体
などに影響し、法令違反につながるおそれがあります。
自然物(発生土)との区別
掘削工事では、土砂や岩石などの自然物も同時に発生します。
これらは、原則として廃棄物には該当しません。
しかし、
- 人工物が混在している
- 廃棄物と混合した状態になっている
場合には、産業廃棄物として扱う必要が生じることがあります。
特に「混じり土」の扱いは、自治体や処分先によって判断が分かれることが多く、事前に行政庁へ確認することが重要です。
処理委託・マニフェストの取扱い
埋設廃棄物を処理する際、収集運搬や処分を外部業者に委託する場合には、
- 書面による処理委託契約
- 産業廃棄物管理票(マニフェスト)の交付
が必要になります。
「想定外に出てきたもの」「一時的なもの」であっても、委託する以上、通常の産業廃棄物と同様の対応が求められます。
一般廃棄物相当となる場合もある
埋設廃棄物の由来によっては、産業廃棄物ではなく、一般廃棄物相当として整理される場合もあります。
この場合、処理方法や関与する行政機関が変わるため、自己判断せず、必ず行政庁の指導を受けることが重要です。
まとめ
埋設廃棄物は、過去の問題ではなく、現在の事業活動として整理される廃棄物です。
排出事業者の考え方や手続きを誤ると、思わぬ法令違反につながるおそれがあります。
埋設物が発見された場合には、早い段階で行政庁や関係者と調整し、適正な処理体制を整えることが求められます。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。
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