ビル清掃や施設清掃の現場では、日々さまざまな廃棄物が発生します。

その際によく聞かれるのが、

「清掃で出た廃棄物の排出事業者は誰になるのか」

という点です。

この判断を誤ると、知らないうちに排出事業者責任を負ってしまうケースもあります。
委託していても責任が消えるわけではありません。


1.最初に整理すべきは廃棄物の区分

清掃業務で出る廃棄物は、大きく次の2つに分かれます。

1.事業系一般廃棄物
2.産業廃棄物(汚泥・廃油・廃プラスチック類など)

この区分によって、

・必要な許可
・処理方法
・契約形態

すべてが変わります。

排出事業者を考える前に、まず一般廃棄物か産業廃棄物かを整理することが重要です。


2.掃き掃除や集じんなど「集めただけ」の清掃

床のゴミを掃き集める、集じん機でホコリを回収するなど、もともと施設内に存在していた廃棄物を集積するだけの清掃では、清掃業者が廃棄物を新たに発生させたわけではありません。

この場合は、

建物の所有者や管理者など、清掃を委託している側が排出事業者になるのが基本です。

清掃業者は、あくまで作業を請け負っている立場になります。


3.ワックス剥離廃液など作業で新たに発生するもの

床ワックスの剥離廃液、設備洗浄で出る汚泥や廃油など、作業の過程で新たに生じる廃棄物については、排出事業者が分かれます。

建設工事に該当する場合は、元請業者が排出事業者になります。

建設工事に該当しない場合は、

・清掃・メンテナンス業者
または
・建物の所有者・管理者

のいずれかとなり、作業内容や契約形態によって判断されます。

そのため実務では、契約段階で排出事業者責任と費用負担を明確にしておくことが重要です。


4.清掃業者が回収・運搬する場合の注意点

清掃業者が廃棄物を回収して持ち帰るケースもありますが、

・一般廃棄物か産業廃棄物か
・必要な収集運搬許可があるか
・適正な委託契約が結ばれているか

これらが整っていなければ違法処理になる可能性があります。

特に事業系一般廃棄物は、市町村の一般廃棄物収集運搬許可が必要になる場合が多く、産業廃棄物の許可だけでは足りません。

また、委託していても排出事業者責任は委託した側から消えません。


まとめ

清掃廃棄物の排出事業者は、一律に決められるものではありません。

実務では次の順で整理すると安全です。

1.一般廃棄物か産業廃棄物かを確認
2.集めただけか、作業で発生したものかを確認
3.建設工事に該当するかを確認
4.契約で責任と費用負担を明確にする

この整理を怠ると、意図せず排出事業者責任を負うことになります。
早めに整理しておくことが、最大のリスク回避です。


※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。

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吉田哲朗
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