水銀規制が強化された背景

水銀は、微量であっても環境や人体に影響を及ぼす有害物質です。
そのため、国際的には「水俣条約」を背景として、水銀の使用・排出・廃棄に関する規制が強化され、日本国内でも廃棄物処理法関係法令が整備されてきました。

こうした流れの中で整理された区分の一つが、水銀含有ばいじん等です。

水銀含有ばいじん等の法令上の位置づけ

水銀含有ばいじん等とは、
ばいじん、燃え殻、汚泥、廃酸、廃アルカリ、鉱さいのうち、水銀またはその化合物を一定量以上含有するものを指します。

ここで重要なのは、名称や見た目、排出工程だけで一律に判断されるものではないという点です。

該当性の判断は、分析結果を前提として行われます。

「含有量」と「溶出量」は別の基準

水銀含有ばいじん等に関する実務では、複数の基準が使い分けられています。

1.区分の判断
水銀含有ばいじん等に該当するかどうかは、主として含有量基準によって整理されます。

2.埋立処分方法の判断
遮断型処分場が必要かどうかなど、埋立方法の判断は、主として溶出基準に基づきます。

3.水銀回収義務の有無
一定以上の水銀を含有する場合には、処分に先立って水銀回収が義務付けられるケースがあります。

これらは、目的の異なる基準であり、混同しない整理が必要です。

特別管理産業廃棄物との関係

水銀含有ばいじん等は、必ずしも特別管理産業廃棄物に該当するとは限りません。

分析結果や性状によっては、通常の産業廃棄物として扱われる場合もあります。
一方で、一定の条件を満たす場合には、特別管理産業廃棄物としての取扱いが求められます。

この点は実務上の誤解が生じやすく、分析結果と法令上の基準を照らして個別に判断することが不可欠です。

実務上の注意点

水銀含有ばいじん等を扱う場面では、次の点に注意が必要です。

  • 自己判断で区分しないこと
  • 分析結果を前提に整理すること
  • 委託契約書やマニフェストの記載内容と整合させること

許可申請や立入検査の場面では、「なぜその区分になるのか」を説明できるかどうかが重要になります。

まとめ

水銀含有ばいじん等は、対象となる廃棄物の種類、含有量、溶出量という複数の要素を整理した上で判断される区分です。

名称だけに引きずられず、法令・告示・分析結果を前提に整理することが、適正処理とトラブル防止につながります。


※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。

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