遮断型産業廃棄物は、公共の水域や地下水と遮断された場所で埋立処分しなければならないとされています。
この「公共の水域」という言葉は、法令上よく使われる一方で、どこまでの範囲を指すのか分かりにくいという声も少なくありません。

本記事では、遮断型処分の前提となる公共の水域の範囲について、制度の考え方を整理します。


公共の水域とは何を指すのか

廃棄物処理法では、「公共の水域」という言葉自体について詳細な定義条文が置かれているわけではありません。
そのため、実務上は 水質汚濁防止法など他法令の概念を踏まえて解釈されます。

一般に、公共の水域とは次のような水域を指します。

・河川
・湖沼
・海域
・これらに直接つながる水路や用水路

自然の河川だけでなく、人工的に整備された水路であっても、不特定多数の利用や環境への影響が想定されるものは公共の水域に含まれます。


地下水も公共の水域に含まれる理由

遮断型処分において特に重視されるのが、地下水との遮断です。

地下水は目に見えませんが、飲料水や農業用水として広く利用される可能性がある資源であり、特定の事業者だけのものではありません。

そのため、地下水は公共性を有する水として、公共の水域と同様に保全対象と考えられています。

遮断型最終処分場では、遮水工・遮断構造によって地下水へ一切影響を及ぼさないことが求められます。


公共の水域に「含まれる」具体例

実務上、公共の水域に含まれると判断されやすいのは、次のようなケースです。

・一級河川、二級河川
・普通河川や準用河川
・農業用水路、排水路(公共管理のもの)
・ため池、調整池(公共性を有する場合)
・海、湾、港湾区域

名称よりも、「公共性」「環境への影響可能性」が重視される点がポイントです。


含まれないと考えられるケース

一方で、次のようなものは公共の水域に該当しないと整理されることがあります。

・完全に私有地内で完結する貯水槽
・外部と接続していない私設排水設備
・建物内の給排水設備

ただし、
外部と連結していないか
地下へ浸透するおそれがないか

といった点は慎重に確認されます。


遮断型処分で求められる考え方

遮断型産業廃棄物の処分では、「公共の水域や地下水へ影響を与えない構造かどうか」が判断の軸となります。

単に距離があるかどうかではなく、構造上・機能上、確実に遮断されているかが重要です。

そのため、最終的な判断は各自治体の設置許可基準や技術指針に基づいて行われます。


実務上の注意点

公共の水域の範囲は、地形・周辺環境・管理主体によって評価が変わる場合があります。

そのため、遮断型処分に関わる計画では、

・事前に行政庁へ確認すること
・図面や構造説明を十分に準備すること

が不可欠です。


まとめ

公共の水域とは、河川・湖沼・海域だけでなく、地下水や公共性のある水路を含む広い概念として捉えられています。

遮断型産業廃棄物の埋立処分では、公共の水域および地下水と確実に遮断されていることが制度上の前提条件です。

解釈に迷う場合は、自己判断せず、必ず行政庁の指導を仰ぐことが重要です。


※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。

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吉田哲朗
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