廃石綿等とは何か

廃石綿等とは、石綿(アスベスト)を含有し、飛散性が高い状態にあるものを指します。
廃棄物処理法上は、特別管理産業廃棄物として位置付けられており、通常の産業廃棄物よりも厳格な管理と処理が求められます。

判断において重要なのは、単に「石綿を含んでいるかどうか」ではなく、**「飛散するおそれがある状態かどうか」**です。


廃石綿等に該当する代表的な例

1.吹付け石綿が除去されたもの

建築物の耐火被覆や吸音材として使用されていた吹付け石綿は、除去された時点で廃石綿等に該当します。

吹付け材は繊維が露出しやすく、接触や振動、気流によって容易に飛散する性状を持つため、典型的な廃石綿等として扱われます。


2.石綿保温材等で飛散のおそれがあるもの

配管や設備に使用されていた石綿保温材・断熱材・耐火被覆材については、除去事業で除去されたものは、原則として廃石綿等に該当します。

また、除去事業に限らず、接触・気流・振動などにより同等以上に石綿が飛散するおそれがある状態にある場合も、廃石綿等として扱われます。

判断は、単に「劣化しているかどうか」ではなく、飛散性の有無・程度を総合的に見て行う必要があります。


3.除去作業に伴って発生した粉じん・清掃残さ・付着物

石綿除去工事に伴い発生する、

  • 集じん装置内の粉じん
  • 養生シートやビニール類
  • 防じんマスク、作業衣
  • 清掃作業で回収された微細な残さ

これらは、石綿が付着している、または付着のおそれがあるものとして、すべて廃石綿等に該当します。

見た目では判断しにくい場合でも、除去作業に伴って廃棄されるものは、原則として特別管理産業廃棄物として整理されます。


廃石綿等に該当しないケースとの違い

一方で、石綿を含んでいても、必ずしも廃石綿等に該当するとは限りません。

例えば、

  • スレート板などの成形板
  • 破損がなく、通常使用・解体で飛散のおそれが低い建材

これらは、石綿含有産業廃棄物として区分され、廃石綿等とは異なる取扱いとなります。

区分の判断では、**「含有の有無」ではなく「飛散性の程度」**が基準になります。


判断に迷う場合の実務上の対応

廃石綿等に該当するかどうかは、現場の状態、建材の性状、除去・解体の方法などを踏まえ、個別具体的に判断されます。

判断に迷う場合には、

  • 事前調査結果や設計図書の確認
  • 専門業者による分析・助言
  • 行政庁への事前相談

を行い、安全側で対応することが重要です。

誤った区分で処理した場合、排出事業者責任が厳しく問われる可能性があります。


まとめ

廃石綿等の判断では、次の点が特に重要です。

  • 飛散するおそれがあるかどうか
  • 除去事業で発生したものかどうか
  • 粉じん・付着物を含むかどうか

見た目や名称だけで判断せず、状態と発生経緯を丁寧に確認することが、適正処理につながります。


※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。

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