一般廃棄物処理委託契約書の基本

事業活動によって発生する廃棄物には、産業廃棄物と一般廃棄物があります。
このうち、法律や政令で定められた産業廃棄物に該当しないものは、一般廃棄物として扱われます。

一般廃棄物の処理については、市町村が処理責任を持つ仕組みとなっています。
しかし、事業者から排出される事業系一般廃棄物については、自治体が許可した処理業者が収集運搬を行うケースも多くあります。

このような場合に、排出事業者と一般廃棄物処理業者との間で、
廃棄物の処理内容や条件を明確にするために締結されるのが一般廃棄物処理委託契約書です。

契約書を作成することで、処理内容や責任の範囲を明確にし、適正な廃棄物処理を行うための基礎となります。

なぜ契約書が作成されるのか

一般廃棄物の処理は、市町村が統括的な責任を持つ制度ですが、
排出事業者にも自らの廃棄物を適正に処理する責務があります。

そのため、処理業者へ収集運搬等を委託する場合には、
処理内容や責任関係を明確にしておくことが重要になります。

契約書が作成される主な理由は次のとおりです。

1、処理内容を明確にするため

廃棄物の種類、収集頻度、回収場所などを契約書に定めることで、処理方法や業務範囲を明確にすることができます。

2、責任の所在を整理するため

廃棄物処理では、収集運搬の途中での事故やトラブルが発生する可能性があります。
契約書を作成することで、各段階の責任範囲を整理することができます。

3、自治体の運用に対応するため

一般廃棄物の処理は市町村ごとに制度運用が異なります。
自治体によっては、許可業者との契約手続きを前提に収集を行う仕組みとなっている場合もあります。

そのため、処理を委託する場合は、自治体のルールや手続きに従い契約を締結することが一般的です。

契約書に記載される主な内容

一般廃棄物処理委託契約書には、次のような事項が記載されることが一般的です。

1、委託する廃棄物の種類

可燃ごみ、事業系一般廃棄物など、対象となる廃棄物を明確にします。

2、収集運搬の方法

回収場所、回収頻度、収集方法などを定めます。

3、処理方法

収集された廃棄物がどの施設でどのように処理されるのかを整理します。

4、契約期間

契約開始日や更新の有無などを定めます。

5、料金および支払方法

収集運搬費用、処理費用、支払方法などを定めます。

6、事故発生時の対応

廃棄物の飛散や事故が発生した場合の連絡方法や対応について定めます。

産業廃棄物処理委託契約書との違い

一般廃棄物の処理委託契約書と、産業廃棄物の処理委託契約書は制度上の位置づけが異なります。

産業廃棄物の場合は、廃棄物処理法において書面による委託契約が義務付けられている点が大きな特徴です。

一方で、一般廃棄物については、市町村が処理責任を持つ制度であるため、
産業廃棄物と同様の一律の契約義務として整理されているわけではありません。

ただし実務上は、自治体の運用として、許可業者との契約手続きを前提に収集を行う仕組みが設けられている場合が多いため、地域のルールを確認することが重要です。

まとめ

一般廃棄物処理委託契約書は、事業者が一般廃棄物の収集運搬や処理を外部業者に委託する際に、処理内容や責任範囲を明確にするための重要な書面です。

一般廃棄物の処理制度は、市町村ごとに運用が異なる場合があるため、
委託を行う際には、自治体のルールや許可業者の取扱いを事前に確認することが重要です。

適正な契約と処理を行うことが、廃棄物処理のトラブル防止にもつながります。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。

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