
産業廃棄物収集運搬業の許可は、基本的に「積み替え保管なし」と「積み替え保管あり」の2種類に分かれています。このうち、**「積み替え保管あり」の許可は、通常の収集運搬許可よりもハードルが高く、準備や審査が厳格になる点に注意が必要です。**今回は、許可取得を検討する際の注意点と、難しいポイントについて整理します。
1. 積み替え保管施設の設置要件
積み替え保管ありの許可を取得するには、専用の施設を確保し、法令や条例で定められた基準を満たすことが必須です。具体的には以下のような要件が求められます。
- 防水・不浸透性の床材を使用した施設であること
- 雨水や排水が外部に流出しないよう適切な排水処理設備を備えること
- 匂いや飛散、騒音などが近隣に影響しないよう環境対策が取られていること
- 廃棄物の種類ごとに区分保管ができるスペースを確保すること
これらの条件を満たすためには、土地選定から施設設計まで慎重な計画が必要です。特に都市部では適地が見つかりにくいことが大きな課題となります。
2. 地域住民や行政との調整が不可欠
積み替え保管施設を設置する際には、周辺住民からの理解を得ることが重要です。騒音や悪臭、交通量の増加などを懸念して反対意見が出ることも多く、行政手続きがスムーズに進まないケースがあります。
また、自治体によっては事前協議や説明会の開催が義務付けられている場合もあるため、十分な準備期間を確保して対応する必要があります。
3. 許可基準が厳格で審査期間が長い
通常の収集運搬許可に比べ、積み替え保管ありの許可は提出書類が多く、審査基準も厳しい傾向にあります。
例えば、
- 施設の構造図や平面図、設備仕様書
- 周辺環境に関する調査資料
- 事業計画書や安全管理体制の詳細な説明書類
などが求められます。また、自治体によっては現地調査や複数回の補正指導が行われるため、許可取得までに半年以上かかる場合も少なくありません。
4. 許可後の維持管理義務が重い
許可を取得した後も、施設の維持管理には高いレベルの運営体制が必要です。
例えば、
- 定期的な清掃や設備点検の記録管理
- 廃棄物の搬入・搬出時の計量記録やマニフェストの徹底管理
- 近隣住民への苦情対応や緊急時のマニュアル整備
これらを怠ると行政指導や最悪の場合、許可取り消しに繋がることもあります。
5. 許可取得の難易度を下げるポイント
積み替え保管ありの許可は難易度が高いですが、以下のポイントを押さえることでスムーズな取得に近づけます。
- 初期段階から行政と相談し、基準に沿った計画を立てる
- 地域住民への説明や配慮を重視し、トラブルを未然に防ぐ
- 必要な書類や運営体制を専門家に確認しながら準備する
十分な事前準備を行うことで、余計な手戻りや審査の長期化を防ぐことができます。
積み替え保管ありの許可は、廃棄物処理業務の効率化に大きく貢献する一方で、施設基準や行政対応、地域との調整など多くの課題を伴います。計画段階から慎重に準備を進めることが、許可取得と事業の安定運営の鍵となります。
- 廃収集運搬業許可特化事務所
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