
産業廃棄物収集運搬業の許可は、事業を始める上で欠かせない重要な資格です。ところが、個人事業主として許可を取得した後に「法人なり」をした場合、この許可をそのまま法人に引き継ぐことはできません。なぜそのような仕組みになっているのでしょうか。
以下では、その理由を分かりやすく整理してみます。
1 許可は「事業者ごと」に与えられるもの
産業廃棄物収集運搬業許可は、特定の「個人」や「法人」に対して与えられるものであり、事業そのものに付与されるものではありません。
例えば、Aさんという個人が許可を取得した場合、それはあくまでも「Aさん個人」に対する許可であって、Aさんが新しく設立した株式会社に当然移るわけではありません。
つまり、許可は「人」や「法人格」という法的主体を単位としているため、主体が変われば許可の効力も切れるという仕組みになっています。
2 法人と個人は「全く別の法律上の存在」
法人なりとは、個人事業主が会社を設立し、その会社を通じて事業を行う形態に切り替えることを指します。しかし、法律上は「個人」と「法人」は別の主体であり、全く異なる存在です。
個人の場合、許可を受けたのは「その人自身」であり、法人の場合は「設立した会社」が許可の主体となります。この違いがある以上、個人が持っていた許可を法人に自動的に引き継ぐことは認められません。
3 適格性審査を再度行う必要がある
産業廃棄物の許可は、経理的基礎や人的要件、講習の修了など、様々な審査基準を満たして初めて交付されます。
法人なりを行った場合、新しく設立した会社に対して「経営基盤が十分にあるか」「専任の技術者や講習修了者がいるか」などを再度確認する必要があります。
もし個人の許可をそのまま引き継げるとしたら、こうした適格性の確認を経ずに法人が事業を開始できてしまい、法制度の趣旨に反してしまいます。そのため、法人として新たに許可申請を行うことが義務付けられているのです。
4 責任主体を明確にするため
廃棄物処理に関する事業は、環境保全や住民生活に直結する重要な分野です。そのため、事故や不適正処理が発生した場合、誰が責任を負うのかを明確にしておく必要があります。
もし個人の許可を法人にそのまま移せるとしたら、責任の所在があいまいになり、万が一のトラブル時に混乱を招く可能性があります。許可を主体ごとに区切る仕組みは、責任追及を明確にするための制度的担保ともいえます。
5 まとめ
以上の理由から、個人事業主として取得した産業廃棄物収集運搬業許可は、法人なりした際に引き継ぐことができません。
- 許可は「事業者(個人または法人)」ごとに与えられる
- 個人と法人は法律上の別主体である
- 法人に対して適格性を再度確認する必要がある
- 責任主体を明確にするための仕組みである
したがって、法人化を検討している事業者は、法人設立後に改めて許可申請を行うことが必要になります。
事業の継続性を保つためには、法人化のタイミングと許可申請の手続きを計画的に進めることが大切です。
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