
産業廃棄物の運搬を収集運搬業者に委託する場合、
「どこから排出された廃棄物か」 によって、押さえるべきポイントが変わります。
同じ事業者の廃棄物であっても、工事現場から直接運搬するケースと、事務所・ヤードにいったん集めてから運搬するケースでは、契約書の書き方やマニフェストの記載内容、許可との整合性に違いが出てきます。
1.排出場所を明確にしておく重要性
まず基本となるのが、排出場所の明確化です。
- 各工事現場から直接積み込んで運搬するのか
- 事務所や資材置き場に持ち帰ってから運搬するのか
排出場所が曖昧なまま運用すると、
契約書・マニフェスト・許可証の内容が食い違い、
行政庁からの指導や、トラブル時の説明の難しさにつながります。
2.委託契約書での「排出場所」の書き方
収集運搬の委託契約書には、通常、排出場所の欄があります。
- 工事現場からの排出が中心の事業者
→「各工事現場」など包括的な表現にするのか、
主要現場を別紙一覧で管理するのかを決めておく。 - 事務所・ヤードからの排出が中心の事業者
→ 住所を正確に記載し、実際の保管・積込場所と一致させる。
契約書の記載と実際の運用がずれていると、立入検査などで説明に時間がかかることがあります。
3.運搬経路と許可の整合性を確認する
次に重要なのが、運搬経路と許可内容の整合性です。
- 現場 → 処分場へ直送する場合
排出現場のある自治体と、処分場がある自治体の双方で、運搬業者が許可を持っているか確認する。 - 現場 → 事務所(ヤード) → 処分場と経由する場合
事務所・ヤードが「積替え保管」に該当しないか、必要な許可が取れているかを確認する。
「一度事務所に戻ってから出します」という運用は、場合によっては積替え保管の扱いになり得るため、許可証に記載された営業区域・施設の有無をよく確認しておく必要があります。
4.マニフェストの排出場所・運搬区間の統一
マニフェストに記載する内容も、現場排出か事務所排出かで注意点が変わります。
- 排出場所欄
実際の排出場所(工事現場の住所、事務所所在地)を正しく記載する。 - 運搬区間
「排出場所 → 処分場」なのか、「排出場所 → 事務所(保管場所)→ 処分場」なのか、現場の運用に合わせた記載・管理を行う。
委託契約書・許可証・マニフェストの三つが、同じ考え方・同じ場所情報でそろっているかどうかがポイントです。
5.各現場から直接委託する場合の実務上の注意点
各現場から収集運搬業者に直接積み込んでもらうケースでは、次のような点に注意が必要です。
- 現場ごとに、排出される品目・量・保管方法を事前に共有しておく
- 現場管理者がマニフェストを正しい住所・品目で記載できるよう、社内で統一ルールを決めておく
- 短工期・少量の現場でも、マニフェストの発行漏れがないようチェックリストを運用する
- 現場に入る収集運搬車両が、道路事情・敷地条件に適しているか確認する
現場ごとに書き方や運用がバラバラになると、後から実績を追えなくなりやすいため、「どの現場でも同じルールで書く」 ことを意識することが重要です。
6.事務所・ヤードから委託する場合の注意点
一方、事務所やヤードから運搬委託する場合には、保管と記録の管理がより重視されます。
- 保管場所に掲示・区画がなされているか
- 原材料や製品と廃棄物が混在していないか
- 搬入量・搬出量の記録が残っているか
- 定期的に運搬し、長期にわたる滞留を避けているか
また、事務所にいったん集める運用をしている場合、実際には「多くが現場から持ち帰られた廃棄物」というケースもあります。
このとき、現場側の記録が全く残っていないと、どの現場から出た廃棄物か追えない状態になりかねません。
7.社内ルールを「現場」「事務所」の両方でそろえる
最後に、各現場と事務所の両方から運搬委託する事業者では、社内ルールを次のように整理しておくと、トラブル防止に役立ちます。
- 排出場所の書き方(住所の統一ルール)
- マニフェスト記載方法(略称の禁止・担当者の固定など)
- 現場から直接出す場合/事務所経由の場合のフロー図
- 許可証・契約書・マニフェストの定期的な突合チェック
「現場は現場、事務所は事務所」と別々に考えるのではなく、一つの排出事業者として一貫した管理ができているかを確認しておくことが、行政対応とリスク管理の両面で重要になります。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。
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