
産業廃棄物収集運搬業の許可を取得すると、多くの自治体で 毎年度「収集運搬実績報告書」の提出が義務付けられています。
これは、行政が地域の廃棄物処理量・流通状況を把握し、適正処理を維持するために重要な制度です。以下では、その目的・内容・注意点を整理します。
1.収集運搬実績報告の目的
収集運搬実績報告は、単なる事務作業ではなく、行政による適正処理確保の基盤となる仕組みです。
特に次の点が重視されています。
- 地域全体の排出量・運搬量を正確に把握するため
- 不適正処理や不法投棄の兆候を早期に検知するため
- 事業者が許可内容に応じた事業規模で運営しているか確認するため
行政は、提出されたデータを集計し、処理施設の整備計画や審査の参考資料として活用しています。
2.提出が必要な内容
報告書で求められる主な情報は、自治体ごとに若干異なりますが、一般的には次のとおりです。
(1)収集運搬量の報告
- 廃棄物の種類
- 収集量・運搬量(年度ごと総量)
- 受入れ・引渡し先の処理施設
(2)運搬車両の状況
- 使用した車両の種類と台数
- 許可証に記載された車両との一致状況
(3)積替保管の実績(該当する場合)
- 保管量
- 保管期間
- 施設の状況
(4)委託契約書・マニフェストとの整合性
廃棄物の種類や数量が委託契約の内容と極端に異なる場合、行政から照会を受けることがあります。
3.報告書提出の時期と方法
多くの自治体では 毎年4〜6月頃 を提出期限とし、前年度の実績を報告します。
提出方法は次のいずれかです。
- 書面提出(窓口・郵送)
- 電子申請(自治体が対応している場合)
報告書の様式は自治体ごとに異なるため、必ず最新の様式を確認することが重要です。
4.報告を怠った場合のリスク
収集運搬実績報告は義務です。
これを提出しない、または虚偽の報告をした場合、次のようなリスクがあります。
- 行政指導の対象となる
- 許可更新の際に不利益となる可能性
- 悪質な場合は許可取消しの可能性もある
実績報告の未提出は「遵法意識が低い」と判断されやすく、更新審査に影響する可能性があるため、注意が必要です。
5.正確に報告するためのポイント
- マニフェストと数量を照合しておく
- 車両台帳・契約書の整理を行っておく
- 月ごとに数量を集計しておき、年度末に慌てないようにする
報告書は、日頃の記録管理が整っているほどスムーズに作成できます。
まとめ
収集運搬実績報告は、産廃収集運搬業者が毎年提出する重要な義務であり、行政の適正処理体制を支える役割を担っています。
数量・種類・運搬先などを正確に把握し、期限内に提出することが最も重要です。
事前の記録管理を徹底することで、更新審査にも良い影響を与えることができます。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。
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