使用済みとなった電気・電子機器の中には、人の健康や生活環境に影響を及ぼすおそれのある有害物質を含むものがあります。
これらは一般的な廃棄物とは異なり、法令上「有害使用済機器」として位置づけられ、
適正な管理と処理が強く求められています

近年、電子機器の高度化・多様化に伴い、廃棄段階での環境リスクが社会問題となっており、有害使用済機器の考え方は実務上も重要性を増しています。


有害使用済機器の法的な位置づけ

有害使用済機器は、廃棄物処理法および関連法令に基づき整理されている概念です。
特徴は、「使用済み」である点と、「有害物質を含有している点」にあります。

単に壊れている、古くなっているという理由だけでは該当せず、含有される物質の性質その管理方法が判断の軸になります。


有害とされる主な物質

有害使用済機器に該当するかどうかを判断する際、特に問題となるのが次のような物質です。

・鉛
・水銀
・カドミウム
・六価クロム
・ヒ素
・PCB など

これらは、漏えい・飛散・溶出した場合、環境汚染や健康被害を引き起こすおそれがあります。
そのため、含有が確認される機器は、通常の廃棄物とは異なる管理が必要になります。


具体的に該当しやすい機器の例

有害使用済機器に該当する可能性があるものとして、次のような例が挙げられます。

・ブラウン管テレビやディスプレイ
・古い冷蔵庫、洗濯機
・蛍光灯、照明器具
・制御盤、計測機器
・業務用電子機器

特に製造年代が古い機器ほど、有害物質を多く含んでいるケースがあり注意が必要です。


有害使用済機器と一般廃棄物・産業廃棄物との違い

有害使用済機器は、一般廃棄物や産業廃棄物の区分と重なる場合がありますが、
重要なのは「どのように処理・管理されるか」という点です。

・有害性を考慮せずに処理することは不可
・破砕や解体の方法にも制限が生じる
・委託先の処理能力が問われる

つまり、単なる廃棄区分の問題ではなく、処理体制そのものが適正かどうかが問われます。


排出事業者に求められる対応

有害使用済機器を排出する事業者には、次のような対応が求められます。

・機器の性状を正確に把握する
・有害物質の有無を確認する
・適切な処理業者を選定する
・不適正処理を防止する管理体制を整える

「知らなかった」「業者に任せていた」という理由は、責任の免除にはつながらない点も重要です。


実務で注意すべきポイント

実務では、有害使用済機器かどうかの判断が曖昧なまま、通常の廃棄物として扱われてしまうケースも見られます。

・機器の型式や製造年を確認する
・処理方法を事前に整理する
・行政庁の見解を踏まえる

これらを意識することで、法令違反リスクを未然に防ぐことができます。


まとめ

有害使用済機器は、**「使用済みであること」+「有害物質を含むこと」**によって判断される概念です。

環境保全の観点からも、排出事業者・処理業者の双方に、高い管理意識と適正な対応が求められています。

安易な処理を避け、制度の趣旨を理解したうえで対応することが重要です。


※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。

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