産業廃棄物処理業を行う事業者には、廃棄物処理法およびその施行規則に基づき、帳簿の備付けが義務付けられています。
これは形式的な事務作業ではなく、廃棄物の流れを適正に管理し、不適正処理を防止するための重要な法定義務です。

帳簿の記載漏れや保存期間違反は、行政指導や改善命令の対象となることがあります。ここでは、実務で押さえるべきポイントを整理します。


帳簿備付けの対象者

帳簿の備付け義務があるのは、産業廃棄物の

・収集運搬業者
・中間処理業者
・最終処分業者

です。

それぞれ業態ごとに、記載事項や管理方法が異なります。自社の許可区分に応じた帳簿管理が必要です。


収集運搬業者の記載事項

収集運搬業者は、運搬した産業廃棄物について、施行規則で定められた事項を記載します。

主な内容は、

・運搬年月日
・排出事業者の名称
・廃棄物の種類
・数量
・運搬先の名称および所在地
・管理票(マニフェスト)に関する情報

などです。

マニフェストとの整合性が確保されていることが重要です。
数量や排出事業者名に相違がある場合、管理体制の不備と評価される可能性があります。


処分業者の記載事項

処分業者は、受け入れた廃棄物について、より詳細な記載が求められます。

・受入年月日
・排出事業者の名称
・廃棄物の種類および数量
・処分方法
・処分後の処理状況(残さの処理先等)

中間処理後の残さの行方まで追跡可能な形で整理することが必要です。
帳簿は、廃棄物の流れを客観的に確認できる資料でなければなりません。


記載時期と保存期間

帳簿は、法令および自治体運用に基づき、定められた期限内に記載する必要があります。

処理の都度、または一定期間内に記録することが求められ、まとめて後日記載する運用は適切とはいえません。

また、帳簿は原則として

1年ごとに閉鎖し、閉鎖後5年間保存

することとされています。

立入検査の際には、提示を求められることがあります。


電子帳簿による管理

帳簿は、紙媒体だけでなく、一定の条件を満たせば電子データによる保存も可能です。

ただし、

・必要な情報が明確に記録されていること
・速やかに閲覧・出力できる状態であること
・保存期間中、適切に管理されていること

が前提となります。

単なる一覧表の保存ではなく、法定記載事項を満たしているかの確認が不可欠です。


実務上の留意点

帳簿管理を形骸化させないためには、次の体制整備が重要です。

① マニフェストとの定期的な突合確認
② 記載期限の管理ルールの明確化
③ 営業所単位での責任者設定

帳簿は、事業者のコンプライアンス体制を示す資料でもあります。
適正管理の積み重ねが、行政対応の円滑化や信用確保につながります。


まとめ

帳簿の備付けは、産業廃棄物処理業の基本的な法定義務です。

記載事項の正確性、期限内記録、5年間の保存という三つの柱を確実に守ることが、適正処理の前提となります。

日々の業務の中で帳簿管理を徹底することが、結果として事業の安定運営につながります。


※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。

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吉田哲朗
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