
産業廃棄物の収集運搬では、車両表示やマニフェスト管理だけでなく、運搬容器そのものが基準に適合しているかが重要です。
容器の不備は、飛散・流出事故や行政指導につながる可能性があります。
ここでは、構造面の要件と表示の考え方を、実務目線で整理します。
運搬容器に求められる基本原則
収集運搬の基準では、容器は飛散・流出のおそれがなく、悪臭が漏れないことが求められます。
これは特定の形式を指定するものではなく、結果として安全な状態を確保することが重要です。
廃棄物の性状に応じて、次のように選定します。
・液状・泥状 → 密閉タンク・密閉ドラム
・粉状 → 内袋付き容器・密閉型容器
・固形状 → 破袋しにくい強度のある容器
・鋭利物含有 → 耐貫通性のある専用容器
構造面のチェックポイント
1 密閉性
フタの締結、パッキンの劣化、注入口の固定状態を確認します。
**「漏れないかどうか」**が判断基準です。
2 耐久性
フレコンや袋類は、紫外線や摩耗で強度が低下します。
破れや縫製ほつれがないか定期点検が必要です。
3 積載安定性
容器単体だけでなく、積載固定も重要です。
ラッシングベルト、枠、パレットなどで転倒防止を行います。
4 詰めすぎ防止
詰めすぎは破袋やフタ浮きの原因になります。
容量に余裕を持たせることが基本です。
容器の表示に関する考え方
産業廃棄物一般について、容器に一律の表示義務が明確に定められているわけではありません。
ただし、次のような場合は別です。
特別管理産業廃棄物
爆発性・毒性・感染性などの危険性があるため、区分管理・混合防止・識別管理が求められます。
特に感染性廃棄物では、密閉容器の使用や識別表示が推奨されています。
実務上、表示しておくメリット
法定義務とは別に、実務では識別表示を行うことが一般的です。
目的は次の通りです。
・誤積載の防止
・誤搬入の防止
・マニフェストとの照合を容易にする
表示は簡潔で十分です。
例)
廃棄物区分/管理番号/排出元識別番号など
指導対象になりやすい例
次のような状態は、基準不適合と評価されやすい傾向があります。
・破れたフレコンの使用
・締まりきっていないドラム缶
・容器外側への付着物
・詰めすぎによる膨張
・固定不足による荷崩れの危険
重要なのは、形式ではなく「危険が生じない状態」を維持しているかどうかです。
まとめ
運搬容器は単なる入れ物ではありません。
飛散・流出防止義務を具体化する設備そのものです。
・密閉性
・耐久性
・積載安定性
・識別管理
これらを総合的に整えることで、適正運搬が担保されます。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。
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