医療機関や介護施設、検査機関などでは、日常業務の中で感染性を有する廃棄物が発生します。
排出の現場では、感染性一般廃棄物と感染性産業廃棄物が混在してしまうケースも少なくありません。

本記事では、両者が混合した場合の考え方について、法令上の位置づけと実務上の取扱いを整理します。


感染性廃棄物の法令上の位置づけ

感染性廃棄物とは、医療関係機関等から排出される廃棄物のうち、感染性病原体が含まれ、若しくは付着している廃棄物、又はそのおそれのある廃棄物を指します。

廃棄物処理法上、感染性廃棄物は次の2区分に整理されています。

感染性一般廃棄物(特別管理一般廃棄物)

医療行為等に伴って排出される一般廃棄物のうち、感染性を有するもの。

感染性産業廃棄物(特別管理産業廃棄物)
医療機関等の事業活動に伴って排出される産業廃棄物のうち、感染性を有するもの。

両者は名称が似ていますが、処理ルートや委託要件が異なる点に注意が必要です。


混合した場合の基本的な考え方

感染性一般廃棄物と感染性産業廃棄物が物理的に混合してしまった場合、実務では次の考え方が取られています。

分別が困難な場合には、全体を「感染性廃棄物」としてまとめて処理する運用が認められています。

感染性の有無を後から切り分けることは現実的に困難であり、感染防止の観点から、混合物全体を同一の管理区分で扱う必要があるためです。

ただし、混合したからといって、必ず全量が感染性産業廃棄物になるわけではありません。
実際の区分や処理方法は、自治体の指導や処理業者の受入基準に基づいて判断されます。


排出段階での分別が重要な理由

このような扱いが前提となるため、排出段階での分別体制は極めて重要です。

・専用容器や袋による区分管理
・排出場所ごとの明確なルール設定
・職員への継続的な教育・周知

分別が不十分な場合、本来は一般廃棄物として処理できるものまで感染性廃棄物扱いとなり、処理コストや事務負担が増加する要因となります。


委託・収集運搬時の注意点

混合物を感染性廃棄物として処理する場合は、次の点に留意が必要です。

・感染性廃棄物の収集運搬に対応した業者への委託
・容器基準・保管基準の遵守
・感染性産業廃棄物として委託する場合は、マニフェスト等の法定手続を適正に行うこと

区分によって必要な手続が異なるため、事前確認が欠かせません。

自治体ごとの運用確認の重要性

感染性廃棄物の区分や混合時の取扱いについては、自治体ごとに運用や指導内容が異なる場合があります。

排出事業者としては、どの区分で委託すべきか、どの処理ルートが適切かについて、自治体や処理業者と事前に確認しておくことが重要です。



まとめ

感染性一般廃棄物と感染性産業廃棄物が混合した場合、分別が困難であれば、感染性廃棄物としてまとめて処理する運用が認められています。

一方で、すべてが一律に感染性産業廃棄物となるわけではなく、実際の区分や手続は、自治体の指導に基づいて判断する必要があります。

排出段階での適切な分別体制が、法令遵守と実務負担軽減の両面で重要となります。


※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。

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吉田哲朗
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