産業廃棄物は、事業活動によって生じる廃棄物のうち、法令で定められた20種類が該当します。これらの適正な処理を行うためには、廃棄物処理法に基づいた厳格な基準が定められており、収集運搬業や処分業の事業者はこれに従う必要があります。本記事では、産業廃棄物処理基準の概要と、収集運搬業および処理業の許可基準について解説します。


1. 産業廃棄物の処理基準の基本

産業廃棄物の処理は、環境への負荷を最小限に抑えることを目的として、法律により細かく定められています。
主な処理基準は以下のとおりです。

  • 飛散・流出防止措置
    廃棄物が風や雨で飛散・流出しないように密閉容器や防護シートを使用することが求められます。
  • 悪臭や有害ガスの抑制
    焼却処理や中間処理の際には、ダイオキシン類や有害ガスの発生を最小化する設備を整える必要があります。
  • 適正な保管管理
    収集後に一時保管する場合は、保管場所に標識を掲示し、種類や量を明確化して管理します。
  • 処理記録の作成・保存
    マニフェスト制度に基づき、廃棄物の引渡しから最終処分までの記録を作成・保存することが義務付けられています。

2. 収集運搬業の許可基準

産業廃棄物の収集運搬を行うためには、各都道府県知事の許可が必要です。
許可基準の主な内容は次のとおりです。

  1. 運搬車両や容器の適正性
    廃棄物に適した車両を保有し、飛散や漏洩を防ぐ構造になっていることが求められます。
  2. 人的要件(講習修了者)
    産業廃棄物に関する基礎知識を有することを証明する講習の受講が必須です。
  3. 経理的基礎
    安定した事業運営が可能であることを示す財務基盤が必要で、通常3年分の決算書等が審査対象となります。
  4. 欠格要件がないこと
    過去の不法投棄などの法令違反歴がないことが条件となります。

3. 処理業(中間処理・最終処分)の許可基準

処理業の許可は収集運搬業以上に厳格です。
主な基準は以下の通りです。

  • 施設の構造基準
    焼却炉や破砕機、中間処理施設が法令で定められた安全基準を満たしていること。
  • 処理技術の適正性
    廃棄物を安全かつ確実に減量化・無害化できる技術を保有していること。
  • 環境保全措置
    大気、水質、土壌への負荷を防止するための装置や管理体制を整備していること。
  • 人員体制の整備
    技術管理者を配置し、適正な処理が継続的に行える体制を確保すること。

4. 適正処理の重要性

収集運搬業者・処理業者ともに、許可を得ただけでは不十分で、実務において法令を順守した適正処理が求められます。不法投棄や不適正処理は、事業者の社会的信用を失うだけでなく、行政処分や刑事罰の対象となることがあります。
適正処理の確保は、環境保全・地域住民の安全・企業の信頼性確保の観点から極めて重要です。

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