
1.経理的基礎とは
産業廃棄物収集運搬業の許可を取得するには、安定して事業を継続できる経理的基礎を有していることが必要です。特に個人事業主は、法人と異なり決算書が存在しないため、確定申告書3期分が経理的基礎を判断する中心資料となります。
2.提出が必要な確定申告書類
個人事業主が提出すべき主な資料は以下の通りです。
- 確定申告書B(控え)3期分
- 収支内訳書、または青色申告決算書
従来は「税務署の受付印」が必須とされることもありましたが、2024年1月以降は押印制度が廃止されています。また、e-Taxで申告している場合でも、受信通知まで求められない場合が多いです。
したがって、現在は確定申告書の控えを3期分そろえることが基本的な要件となります。
3.黒字基準の考え方
経理的基礎の判断において、黒字かどうかは重要な要素です。全国的に共通する基準は以下のとおりです。
- 3期のうち2期以上が黒字であることが望ましい
- 赤字の年度があっても、直近年度が黒字であれば許可が認められる可能性が高い
- 黒字額が大きくなくても、売上や資産、借入の返済能力と整合性が取れていれば問題ない場合もある
重要なのは「数字の大小よりも、事業が継続可能であることを示す」点です。
4.注意すべきポイント
① 赤字が続かないようにする
3期すべて赤字の場合は許可が難しくなります。少なくとも直近年度は黒字にすることが望ましいです。
② 売上の安定性
収入の大幅な増減は、事業の安定性に疑義を持たれる要因となります。
③ 経費の妥当性
車両費、燃料費など産廃業に必要な経費は適正であることが求められます。不自然な数値は指摘される可能性があります。
④ 所得水準の確認
事業所得が極端に少ないと、生活維持や事業継続能力を疑われる場合があります。黒字を確保するだけでなく、一定の所得水準を維持しているかも重要です。
5.提出前に確認しておくこと
- 確定申告書と収支内訳書(または青色申告決算書)の数値が一致しているか
- 控えが3期分きちんとそろっているか
- 借入がある場合、その返済計画を説明できる状態にあるか
- 直近年度が黒字であるかを必ず確認しておくこと
まとめ
産業廃棄物収集運搬業の許可申請において、個人事業主の確定申告書3期分は経理的基礎を判断する最重要資料です。
全国的に見ても、受付印やe-Tax通知の提出は現在求められておらず、申告書そのものの内容が重視されています。特に「3期中2期以上の黒字」「直近年度の黒字」が大きなポイントとなり、事業の継続性を裏付けることが許可取得の鍵となります。
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