
1 先行許可とは
先行許可とは、産業廃棄物収集運搬業や処分業を複数の都道府県に申請する際、最初に1つの自治体で取得した許可証を基準に、他の自治体へ展開していく申請方式を指します。
これにより、申請の効率化や審査の円滑化が期待できますが、いくつかの重要な注意点があります。
2 最初の許可が基準になる
最初に取得した許可証が「基準許可」として扱われ、以降の申請に活用されるため、初回の申請内容に不備や不整合があると、他の自治体での審査にも影響が及びます。
したがって、最初の申請は特に慎重に準備する必要があります。
3 申請内容の統一性
各自治体で審査する際、事業計画や財務資料、車両一覧などの申請内容に一貫性が求められます。
内容に差異があると「申請内容が異なる」と判断され、追加資料の提出や訂正を求められることがあります。
4 許可証の提示
他県に申請する際には、既に取得した基準許可証の写しを提示することが求められます。
これは「適法に許可を得ている」ことを確認するためであり、最初に取得した許可証がどの県であっても有効に利用できます。
有効期限について
先行許可に使えるのは、有効期間内の許可証に限られます。
- 取得から何年経過していても、更新をして有効であれば問題ありません。
- 一方で、有効期間(通常5年間)を過ぎた許可証は失効扱いとなり、先行許可には利用できません。
このため、更新管理を怠らないことが極めて重要です。
5 各自治体の審査姿勢の違い
廃棄物処理法に基づく許可であっても、自治体ごとに運用や審査基準に細かな違いがあるため注意が必要です。
例えば、提出書類の形式や補足資料の求め方、審査期間などは自治体ごとに差が生じる場合があります。
6 処分先との関係確認
収集運搬業の申請では、運搬先の処分場との契約や受入確認が必要です。
特に複数県にまたがる場合、処分場がどの県に所在するかによって、申請が必要な許可の範囲も変わってきます。
7 まとめ
先行許可は、複数県での許可取得を効率的に進めるための仕組みですが、
- 初回申請の正確性
- 申請内容の一貫性
- 基準許可証の提示(有効期限内であることが必須)
- 自治体ごとの違いへの対応
といった点に十分配慮する必要があります。適切に準備すれば、スムーズに許可を拡大することが可能になります。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、
公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。
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