
循環型社会形成推進基本計画は、廃棄物の発生抑制・再使用・再生利用などを総合的に進めるための国の基本方針を定めたものです。
循環型社会の実現を目指し、国・自治体・企業・国民がそれぞれの立場で取り組むべき方向性を示しています。
この計画は、**循環型社会形成推進基本法(平成12年制定)**に基づいており、環境政策の中核を担う重要な指針といえます。
計画の目的と背景
大量生産・大量消費・大量廃棄の経済構造が進む中で、資源の浪費や廃棄物の増加が大きな社会問題となりました。
そのため、環境への負荷をできるだけ低減し、資源を循環させる社会への転換を図ることが目的とされています。
政府は2003年に第1次計画を策定して以来、社会情勢や技術進展に合わせておよそ5年ごとに改定を行っています。
近年では、脱炭素社会・自然共生社会との一体的推進が新たな柱として加えられ、環境・経済・社会の好循環を目指す方向に進化しています。
基本的な考え方
この計画では、「3R(リデュース・リユース・リサイクル)」の推進を中心に据えています。
さらに、廃棄物を「ごみ」ではなく「資源」として捉え直す考え方が重視されています。
- リデュース(発生抑制):製品設計や流通段階で廃棄物を減らす工夫を行う
- リユース(再使用):繰り返し使える仕組みを社会全体で整える
- リサイクル(再資源化):廃棄物から資源を再利用する技術と制度を発展させる
これらの循環を通じて、資源の有効利用と環境負荷の最小化を実現することが狙いです。
現行計画の重点施策
現在の第5次循環型社会形成推進基本計画では、次のような重点項目が掲げられています。
- 地域循環共生圏の構築
各地域で資源・エネルギーを循環させ、地域の自立と活性化を両立する。 - プラスチック資源循環の推進
使用削減・再利用・再生利用を徹底し、使い捨て型社会からの脱却を目指す。 - 食品ロス削減とバイオマス活用
食品廃棄物を減らし、堆肥化やバイオガス化によって資源として再利用する。 - デジタル技術の活用
IoTやAIを用いた資源循環の見える化、最適化による効率的な廃棄物管理を推進。
国民・企業・自治体の役割
循環型社会は行政だけでなく、国民・企業・自治体の協働によって成り立ちます。
- 国民:分別・リサイクルなど日常生活での行動が重要
- 企業:製造・流通・回収の各段階で環境配慮型の取り組みを実施
- 自治体:地域特性に応じた循環型の仕組みを整備
それぞれの立場で責任を持ち、資源を無駄にしない社会づくりに貢献することが求められています。
今後の展望
循環型社会形成推進基本計画は、今後も2050年カーボンニュートラルやSDGs目標達成と連携しながら発展していきます。
単なる廃棄物対策にとどまらず、経済成長や地域づくりにも直結する政策として位置づけられています。
資源を次世代へつなぐ視点を持ち、持続可能な社会への道を歩むことが、私たち一人ひとりに求められています。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。
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