1.中間処理とは

中間処理とは、排出された産業廃棄物をそのまま最終処分場に運ぶのではなく、減量化・安定化・再資源化などのために一時的に処理を行う工程をいいます。
主な中間処理には、焼却、破砕、選別、脱水、圧縮、溶融などがあり、廃棄物の種類や性状によって適切な方法が選ばれます。

これらの工程によって、廃棄物の体積を減らしたり、埋立処分しやすい形状に変えたり、資源として再利用できるものを分別することができます。


2.中間処理が必要な理由

中間処理が必要とされるのは、主に次の3つの理由によります。

(1)最終処分量の削減

最終処分場の残余容量には限りがあります。
焼却や破砕などの中間処理によって廃棄物を減量化すれば、最終処分に回す量を大幅に減らすことができ、処分場の延命につながります。

(2)再資源化・リサイクルの促進

中間処理を通じて、金属やプラスチック、紙などの再利用可能な資源を分別・回収できます。
その結果、循環型社会の形成やCO₂削減に貢献し、企業の環境配慮にも直結します。

(3)安全性・安定性の確保

産業廃棄物の中には、有害物質を含むものや、発酵・悪臭を伴うものがあります。
中間処理を行うことで、危険性を除去し、安定した状態に変えることができます。
たとえば、汚泥の脱水処理や焼却処理によって、管理や運搬が容易になり、環境リスクを軽減できます。


3.排出事業者の責任と委託処理

産業廃棄物を排出する事業者は、「排出事業者責任」に基づき、最終処分が適正に完了するまでの全過程に責任を負います。
そのため、中間処理業者へ委託する場合も、許可業者であるかの確認や委託契約書・マニフェストの交付が欠かせません。

また、中間処理業者は、処理後の残さ(残った廃棄物)を最終処分業者に引き渡す際にも、マニフェスト管理を徹底する必要があります。
適切な委託先選定と管理が、法令遵守の基本です。


4.中間処理施設の役割

中間処理施設は、単に廃棄物を減らすだけでなく、再生資源の拠点としての役割も担っています。
再生利用が可能なものを選別し、原材料として再び流通に戻すことで、廃棄物を「資源」に変える社会的機能を果たしています。

最近では、AIや自動選別機の導入などにより、より高精度で効率的な中間処理が進められています。
環境保全と経済活動の両立を支える重要なインフラといえます。


5.まとめ

中間処理は、産業廃棄物の適正処理・再資源化・環境保全のいずれにおいても欠かせない工程です。
単に廃棄物を減らすだけでなく、最終処分場の負担を軽減し、限りある資源を有効活用するための要となっています。

事業者としては、信頼できる中間処理業者と連携し、法令に沿った適正処理を確実に実施することが求められます。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。

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