廃棄物処理法では、廃棄物が発生してから最終処分されるまでの一連の流れについて、誰が・どの段階で・どのような責任を負うのかを明確にしています。
この「適正処理フロー」を正しく理解していないと、意図せず法令違反となるリスクが生じます。

特に実務では、委託関係や書類管理の不備が問題になるケースが多く、流れ全体を俯瞰して把握することが重要です。


廃棄物処理の基本的な流れ

廃棄物処理法における適正処理フローは、概ね次の段階で構成されています。

① 発生(排出)
② 分別・保管
③ 収集運搬
④ 中間処理
⑤ 最終処分

この流れの中で、最も重い責任を負うのは排出事業者です。
処理を委託した場合であっても、責任が完全に移転するわけではありません。


排出事業者の責任がフローの起点

廃棄物が発生した時点で、その廃棄物は排出事業者の管理下に置かれます。
排出事業者は、次の点を適切に行う必要があります。

・廃棄物の種類の正確な把握
・適切な分別と保管
・許可業者への委託

ここで誤った判断をすると、その後のフロー全体が不適正となり、連鎖的に違反が発生します。


収集運搬・処分の委託と契約関係

廃棄物の処理を外部業者に委託する場合、収集運搬業者処分業者それぞれについて、適切な許可を有しているかを確認しなければなりません。

また、委託にあたっては書面による委託契約が必要です。

この契約は形式的なものではなく、処理内容・処理先・責任範囲を明確にするための重要な書類と位置付けられています。


マニフェストによる処理状況の管理

産業廃棄物の場合、適正処理フローを可視化する仕組みとしてマニフェスト制度が設けられています。

マニフェストは、

・収集運搬が適切に行われたか
・処分が完了したか

を確認するためのものです。

単に交付すればよいのではなく、返送状況や記載内容を確認し、保存することまでがフローの一部となります。


中間処理・最終処分まで含めた管理

中間処理後の残渣が、どのように最終処分されるのかも重要です。
排出事業者は、処理の最終段階まで把握していることが求められます。

「処分業者に任せているから分からない」という状態は、
適正処理フローが機能しているとは言えません。


適正処理フローが重視される理由

廃棄物処理法がフロー全体を重視するのは、一部だけを守っても環境保全は達成できないからです。

発生から最終処分まで、一本の流れとして整合性が取れていることが、適正処理と評価されます。


実務で意識すべきポイント

実務上は、次の点を常に確認することが重要です。

・排出事業者としての立場と責任
・委託先の許可内容の確認
・書類と実態が一致しているか
・処理の流れが途中で途切れていないか

これらを意識することで、廃棄物処理法に沿った適正処理フローを維持することができます。


※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。

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