
産業廃棄物の収集運搬業や処理業の許可を取得するには、法令で定められた主な要件が5つあります。そのなかの一つが「経理的基礎」です。これは事業の継続性と安定性を担保するための重要な審査基準であり、多くの都道府県で直近3期分の決算書の提出が求められています。
✅ 経理的基礎とは何か?
経理的基礎とは、「的確かつ継続して事業を遂行するために十分な財務基盤があるか」を評価する指標です。そのために見るのが:
- 直前期の自己資本比率が10%以上(総資本に対する自己資本の割合)
- 直近3期の経常利益等の平均が黒字であること
- 直前期の経常利益等が黒字であること
これらを満たす場合、追加資料なしで許可申請が可能です 。
自治体によって異なりますが、一般的に自己資本比率10%以上であれば、中小企業診断士の診断書なしでも申請が通るケースが多いです 。
📊 なぜ「3期分の決算書」が必要なのか?
- 経営の安定性を総合判断するため
単年度の黒字だけでは不安定な経営と判断されることがあります。3年間の黒字継続や債務超過がないかを確認するためにも、複数期分の数字が必要です 。 - 一時的な特異要因を除外するため
災害や一過性の要因による赤字や黒字に惑わされず、経営実態を把握するには、長期的な財務推移が必須です 。 - 許可申請のタイミングに左右されないよう
決算期の変更や新規法人の場合には3期分が揃わないケースもありますが、その場合でも診断書や補足資料で代替が可能です 。
🛠 補足資料が必要となるケース
- 自己資本比率が10%未満、または
- 直近3期の経常利益平均が赤字、または
- 直前期が赤字や債務超過の場合
これらに該当すると、中小企業診断士による財務診断書や資金繰り計画書、借入残高証明書など追加資料の提出が必要になる可能性があります 。
💡 設立3年未満・法人設立直後でも申請可能
法人設立後まだ3期決算を迎えていない場合でも、以下の書類を提出することで代替できます:
- 中小企業診断士による経営診断書
- 今後の収支・資金繰りの予測
- 所得税・納税証明書
これにより、「継続して事業を行える体制がある」という審査基準を満たすことが可能です。
⚠ 赤字や債務超過でも諦めない!
赤字決算や債務超過がある場合でも、追加資料の提出によって許可取得を目指せます。例えば、埼玉県では以下の条件で許可取得が可能です:
- 債務超過のみ → 財務実績・計画書の提出
- 赤字のみ、または3期通算の赤字 → 財務実績・計画書のみ
- 債務超過+赤字など複数要因 → 診断書(中小企業診断士)も必要
自治体ごとに対応が異なるため、各地域の手引きを確認することが重要です 。
✅ まとめ
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 経理的基礎とは | 財務的に継続・安定した経営ができる体制があること |
| 直近3期分の決算書が必要な理由 | 長期的な経営の安定性・継続性を判断するため |
| 補足資料が必要なケース | 自己資本比率10%未満、赤字継続、債務超過など |
| 新設法人・決算期未到来でもOK | 診断書や収支計画などで代替可能 |
| 赤字・債務超過でも許可取得の道あり | 財務計画書や診断書がカギ |
産業廃棄物収集運搬・処理業の許可取得において、経理的基礎は単なる要件ではなく、「持続可能で適正な処理を行える事業者」である証です。3期分の決算書は、その客観的証明として非常に重要な資料なのです。
- 廃収集運搬業許可特化事務所
- 行政書士吉田哲朗事務所
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