1.積替保管を利用した運搬とは

産業廃棄物の運搬では、排出場所から処分施設まで直接運ぶだけでなく、途中で積替保管施設を経由して運搬する方法が利用される場合があります。
積替保管とは、廃棄物を一時的に降ろし、再度積み替えて次の運搬工程につなぐ仕組みです。長距離運搬や多量の廃棄物を効率的に動かす際に用いられます。

積替保管施設を経由する運搬は便利な一方、廃棄物処理法上の規制が多く、排出事業者・運搬業者ともに、適切な委託と確認が必須です。


2.積替保管施設を経由する際の“委託の原則”

積替保管を行う場合、排出事業者は次の点を必ず確認する必要があります。

(1)すべての業者が許可を持っていること

積替保管施設を使う場合、関係する業者は次の許可を持っていなければなりません。

  • 運搬を行う業者:産業廃棄物収集運搬業(積替保管あり)
  • 施設を運営する業者:積替保管を含む事業計画で許可されていること
  • 最終的に搬入する事業者:処分業許可

どこか一つでも許可が不足している場合、委託自体が不適切となり、排出事業者も責任を問われます。


3.委託契約書で確認すべき事項

積替保管施設を経由する場合、委託契約書では次の内容を明確にする必要があります。

(1)運搬ルートに積替保管が含まれること

運搬の途中で積替保管を行う場合、その事実を契約書に記載しておくことが重要です。
契約書に記載がない状態で積替保管を行うと、委託内容と異なる処理となり、排出事業者の管理責任が問われる恐れがあります。

(2)積替保管施設の名称・所在地

どこの施設を経由するのか、施設名・住所・許可番号を明記することで、行政庁から見ても委託内容が明確になります。


4.マニフェストの扱い

積替保管を行う場合でも、マニフェストは原則として排出場所から処分場まで1枚で管理します。
ただし、積替保管施設を経由して運搬を分担する場合、運搬受託者が複数になるケースがあり、下記の取り扱いが必要です。

  • 運搬受託者が複数の場合:それぞれの区間を分けて、マニフェストに記載
  • 積替後に別業者が運搬する場合:区間ごとに運搬受託者を記載

マニフェストの記載漏れは行政指導の対象となるため、事前の整理が欠かせません。


5.積替保管を利用するメリット

積替保管には次のような利点があります。

  • 大量廃棄物の効率的な運搬
  • 長距離輸送の負担軽減
  • 運搬便の効率化(帰り便の活用)

特に建設現場で発生する混合廃棄物や、大量にまとまらない小口廃棄物の運搬に適しています。


6.想定されるリスクと注意点

積替保管には便利な側面がある一方、排出事業者にリスクが残ります。

(1)許可不備による責任追及

積替保管の許可がない業者が関与した場合、排出事業者に法的責任が及びます。

(2)契約書に未記載の運搬ルート

契約書に積替保管の記載がなければ、委託内容と異なる処理として扱われます。

(3)マニフェストの不備

区間ごとの運搬業者記載漏れや、積替保管施設の記載漏れが指導対象となることがあります。


7.まとめ

積替保管を経由した運搬は、廃棄物を効率的に動かす有効な方法ですが、関係業者の許可確認・契約内容の明確化・マニフェストの適正管理が必須です。
排出事業者は、委託内容が適正かどうかを常に確認し、法的リスクを回避するための管理体制を整えることが重要になります。


※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。

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吉田哲朗
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