管理型最終処分場では、焼却残さや汚泥、廃プラスチック類などの産業廃棄物を埋立処分します。
この埋立地に降雨が浸透し、廃棄物層を通過することで発生するのが**浸出水(浸出液)**です。

浸出水には、有機物や窒素分、重金属類などが含まれる可能性があるため、そのまま外部へ排出することはできません。
そこで、処分場内に設置された浸出水処理施設により処理を行い、基準を満たした水のみが外部へ放流されます。これが放流水です。


放流水管理の法的枠組み

管理型最終処分場の放流水は、処分場に係る構造基準および維持管理基準に基づき管理されます。

放流水の水質については、排水基準等に適合するよう維持管理することが求められており、これは廃棄物処理法に基づく技術基準の枠組みで整理されています。

つまり、放流水は単なる「施設内処理水」ではなく、法令に基づく厳格な水質管理の対象となります。
許可時の条件や地域の運用方針に従った管理が必要です。


浸出水処理施設の役割

浸出水処理施設では、処分場の規模や埋立物の性状に応じて、次のような処理工程が組み合わされます。

  • 沈殿処理(浮遊物質の除去)
  • 生物処理(BOD・CODの低減)
  • 凝集沈殿処理
  • ろ過処理
  • 活性炭吸着や膜処理などの高度処理

これらの工程を経て、水質基準を満たす水へと浄化されます。


主な水質管理項目

放流水管理では、次のような項目が確認対象となります。

  • pH
  • BODまたはCOD
  • SS(浮遊物質量)
  • 窒素・りん
  • 重金属(鉛、カドミウム等)
  • 有害物質(シアン、六価クロム等)

放流先が河川・湖沼・海域・下水道のいずれであるかによって、求められる管理項目や考え方が異なる場合があります。

処分場ごとの許可条件に基づく管理が前提となります。


測定・記録と継続管理

管理型最終処分場では、浸出水や放流水の水質について、定期的な測定・記録が求められます。

代表的には、

  • 有害物質項目:年1回以上
  • 有機物関係項目(BODまたはCOD):月1回以上
    (埋立終了後は一定期間ごと)

などの頻度が整理されています。

測定結果は記録保存され、行政庁の指導に従って適切に管理されます。
異常値が確認された場合には、原因究明と是正措置が速やかに求められます。


構造基準との一体性

放流水管理は、遮水シート、粘土層、集水管、調整池などの構造基準と一体で機能します。

遮水構造で地下水汚染を防止し、集水・処理設備で浄化し、基準を満たした水のみ放流する。

この一連の管理体制が、管理型最終処分場の環境保全機能の核心です。


まとめ

管理型最終処分場から排出される放流水は、浸出水を適切に処理し、法令上求められる水質水準を満たしたうえで放流されます。

重要なのは、

  • 技術基準に基づく処理設備の整備
  • 定期的な水質測定と記録管理
  • 許可条件の遵守
  • 異常時の迅速な対応

これらを継続的に実施することです。

放流水の管理は、環境保全のみならず、地域社会からの信頼確保にも直結する重要な業務といえます。


※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。

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