日常生活や産業活動において、不要となった物の処分を考える際、「これは廃棄物かどうか?」という判断に迷うことがあります。特に企業活動においては、この判断を誤ると廃棄物処理法違反などのリスクが生じるため、正確な理解が重要です。

◆ 廃棄物とは何か?

「廃棄物処理法」では、「廃棄物」「占有者が不要になったために自ら利用し、又は他人に有償・無償を問わず売却することができない物」と定義しています。

ただし、実際の現場ではこの定義だけでは判断が難しい場合が多く、そこで重要となるのが「総合判断」の考え方です。

◆ 総合判断の視点とは?

「これは廃棄物かどうか」を判断するには、以下のような複数の要素を総合的に見て判断する必要があります。

① 物の性状や状態

  • 汚れ、破損、劣化などにより、再利用が難しいか?
  • 保存状態や衛生面で問題がないか?

② 排出者の意思

  • その物を「手放したい」と思っているか?
  • 「今後使う予定がある」などの明確な理由があるか?

③ 社会通念・一般的な価値

  • 同種の物が市場で通常流通しているか?
  • 一般的に再利用価値が認められるか?

④ 保管・管理の状況

  • 整理されて管理されているか?
  • それとも雑然と置かれているだけか?

◆ 実際の判断事例

たとえば製造過程で出た端材。これが工場内で再利用される前提で適切に保管されていれば「廃棄物」とは見なされません。しかし、倉庫の隅に長期間放置され、再利用の見込みも管理の実態もないようであれば「廃棄物」と判断される可能性があります。

◆ なぜ重要か?

「廃棄物」と判断されると、その収集・運搬・処分は法律に基づく適切な手続きが必要になります。もしこれを無視すると、不法投棄や無許可処理とみなされ、企業や個人にとって重い罰則が科されることもあります。


▼ まとめ

「廃棄物かどうか」の判断には、法律の定義だけでなく、実態や社会通念など複数の要素を踏まえた『総合判断』が求められます。日常や業務の中で迷う場面があれば、専門的な視点での確認を検討することも重要です。

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吉田哲朗
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