企業が産業廃棄物を排出する際、その処理が法律に基づいて適切に行われているかを確認するために、「マニフェスト制度(産業廃棄物管理票制度)」が定められています。これは、排出事業者が処理の流れを“見える化”するための重要な仕組みです。

■ マニフェストとは?

マニフェストとは、産業廃棄物の「排出から最終処分までの流れを記録・管理する伝票」のことを指します。正式には「産業廃棄物管理票」と呼ばれます。

この制度により、廃棄物がどの業者に引き渡され、どのように処理されたのかを排出事業者自身が把握・確認できるようになります。

■ マニフェストの種類

マニフェストには主に以下の2種類があります:

  • 紙マニフェスト(紙の伝票)
  • 電子マニフェスト(JWNETを利用)

近年では、効率性やトレーサビリティの向上から電子マニフェストの利用が推奨されています。

■ マニフェスト制度の目的

  1. 不法投棄の防止
    廃棄物の流れを追跡可能にすることで、違法な投棄や不適正処理を防ぎます。
  2. 排出事業者の責任明確化
    廃棄物は「排出者責任の原則」に基づき、処理が完了するまで排出事業者が責任を負います。
  3. 適正処理の確認
    最終処分終了後に交付されるマニフェスト控えにより、処理完了が証明されます。

■ マニフェストの流れ(紙マニフェストの例)

  1. 排出事業者がマニフェストを作成
  2. 収集運搬業者へ引き渡し(A票・B1票・B2票)
  3. 中間処理業者・最終処分業者へ順次引き渡し(C票・D票・E票)
  4. 排出事業者のもとに最終的な処理結果が報告される

■ 電子マニフェストのメリット

  • 書類の保管が不要
  • リアルタイムで処理状況を確認可能
  • 処理期限超過や不適正処理のアラート機能あり

■ 行政処分のリスクも…

マニフェストの不備や処理の未確認があった場合、排出事業者にも行政指導・命令、最悪の場合は罰則が科されることがあります。形式的に交付するだけではなく、内容確認や保管義務の履行も重要です。

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