自然災害が多い日本において、「盛土(もりど)」による災害リスクが改めて注目されています。特に2021年の静岡県熱海市で発生した土石流災害をきっかけに、盛土に関する法規制が強化されました。この記事では、盛土の定義から規制内容、関係法令について分かりやすく解説します。


■ 盛土とは?

盛土とは、谷や低地に土砂や資材を積み上げて地盤を高くする造成工事のことを指します。宅地造成や道路・工場敷地の整備など、さまざまな場面で利用されますが、不適切な管理や設計が災害の原因となるケースもあります。


■ なぜ盛土は危険なのか?

  • 排水処理が不十分だと大雨時に土砂崩れが発生
  • 不安定な地盤の上に盛土をすると崩壊リスクが増大
  • 盛土に産業廃棄物を混ぜるなど違法処分の温床になることも

これらの問題から、盛土に関する規制が強化されてきました。


■ 2023年5月施行「盛土規制法」

正式名称は「宅地造成及び特定盛土等規制法(改正法)」。これにより、盛土の規模や内容によっては、事前の許可や報告が必要になります。

主なポイント:

  • 対象区域の拡大:山間部や非宅地も含めた規制が可能に
  • 許可制の導入:一定規模以上の盛土には都道府県知事の許可が必要
  • 監視体制の強化:無許可盛土に対し、立入検査・是正命令・罰則が可能

■ 盛土の規制対象になる条件

項目内容
高さ高さ5メートル以上または体積3,000立方メートル以上
傾斜傾斜が急で崩壊の恐れがある箇所
地域規制区域に指定された山間部、都市周辺地、旧河川地など

※ 規制区域の指定は都道府県単位で異なるため、詳細は自治体に確認が必要です。


■ 違反するとどうなる?

  • 無許可での盛土 → 最大3年以下の懲役または300万円以下の罰金
  • 是正命令の未履行 → 行政代執行や告発の対象

■ 安全な造成と地域防災のために

適切な盛土設計や法令に基づく施工は、地域の安全に直結します。事業者はもちろん、土地所有者や建築主も、盛土に関する法令を正しく理解し、必要な申請や調査を行うことが重要です。


■ まとめ

盛土は便利な造成技術である一方、使い方を誤ると重大な災害につながります。2023年の法改正によって規制が強化され、監視体制も整備されました。安全な街づくりのためにも、盛土を行う際は「許可が必要か」「どのような基準があるのか」を必ず確認しましょう。

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吉田哲朗
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